2019年のセ・リーグの「ホールドポイントランキング」は、TOP10のうち6人が外国人投手と、まさに「助っ人無双」の年だった。2020年も、昨季リーグ3位となる38HPを挙げた
エドウィン・エスコバー(
DeNA)や、26HPの
ヘロニモ・フランスア(
広島)など強力な中継ぎが健在だが、日本人投手の巻き返しに期待したいところ。今回は、2020年の最優秀中継ぎ投手が期待できる「セ・リーグの日本人セットアッパー」を紹介する。
ジョンソンやドリス不在の阪神は日本人にチャンス到来
阪神の岩崎優は最優秀中継ぎ投手のタイトルが期待できる選手だ。2019年は病気やケガの影響で登板数は48試合だったが、3勝0敗29HP、防御率1.01と好投を見せた。2020年は中継ぎ陣を支えた
ピアース・ジョンソンや
ラファエル・ドリスが移籍。また、昨季途中から抑えに回った
藤川球児が引き続き守護神を務めることになっており、岩崎には中継ぎのエースとしての活躍が求められる。
阪神では、昨シーズンに中継ぎとして63試合に登板し、防御率1.67と素晴らしい投球を披露した
島本浩也も最優秀中継ぎ投手を争う一人。昨季はホールドが記録される場面での登板は少なく15HPだったが、もし岩崎が不調になった場合は、ここぞという場面での登板が増え、大幅に数字を伸ばす可能性がある。
最有力は昨季リーグ4位だったヤクルト・梅野
昨季セ・リーグ4位となる30HPを挙げたヤクルト・梅野雄吾も、今季の最優秀中継ぎ投手の有力候補だ。一時不調に陥ったことで登板機会が減ったものの、終わってみればリーグ3位タイの68試合に登板と大車輪の活躍を見せた。昨オフに中継ぎの一角だったデビッド・ハフが移籍したため、今季はさらに出番も増える可能性がある。昨シーズンのような好投を見せることができれば最優秀中継ぎ投手のタイトルも遠くはない。
ヤクルトは、2018年に最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得している
近藤一樹も有力候補の一人。昨季は打球直撃による離脱もあったが、59試合に登板して22HPとチーム内の日本人選手では梅野に次ぐ成績を残した。離脱さえなければ登板数も増え、2018年以来2度目の最優秀中継ぎ投手の受賞もあり得る。
日本人セットアッパーが粒ぞろいのDeNA
DeNAはエスコバーと
スペンサー・パットンという中継ぎのダブルエースがいるが、昨季リーグ6位の28HPを記録した三嶋一輝、14HPの
国吉佑樹など日本人セットアッパーも粒ぞろいだ。ともに鋭いストレートを武器とするピッチャーで、昨季はパットンが不調に陥ったり、ケガで離脱したりした際の穴を見事に埋めた。失点の多さやコントロールの甘さなど課題はあるが、大きく成長すればエスコバーとパットンに取って代わる存在になる可能性も高い。
昨季圧巻の投球を魅せた
中日の
ジョエリー・ロドリゲス(中日)や阪神のジョンソンはいなくなったが、依然として各チームに強力な助っ人中継ぎ投手たちがいる。昨季21HPを記録し、プレミア12では日本代表として戦った
巨人の
中川皓太も上を目指せる投手。昨季は抑えに回ることも多かったが、今季は
ルビー・デラロサが抑えを務める可能性が高く、シーズン序盤から中継ぎとしての活躍が期待される。順調ならば最優秀中継ぎ投手のタイトル争いにも加わるだろう。
果たして日本人セットアッパーたちは彼らを上回る活躍ができるのか、開幕を楽しみに待ちたい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM