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将来は「ロッテ・鳥谷監督」も? 若手から慕われる人間力

 


 昨年限りで阪神を自由契約となり、ロッテに新加入した鳥谷敬は若手の良きお手本になるだろう。チーム合流初日の3月11日にZOZOマリンを訪れて井口資仁監督ら首脳陣に挨拶すると、埼玉県さいたま市南区の二軍室内練習場に移動。背番号「00」の真新しい練習着で2時間半汗を流した。ノックで軽快な守備を見せるとマシン打撃でも快音を響かせ、若手選手たちからは、「春季キャンプを過ごしていないとは思えないほど動きにキレがあってびっくりしました」と感嘆の声が上がった。

 遊撃という肉体に負担のかかるポジションでプロ野球歴代2位の1939試合連続出場の偉業を達成した背景に、野球に対するストイックな姿勢がある。2017年5月24日の巨人戦(甲子園)で顔面への死球で鼻骨骨折したが、翌25日の同戦で鼻を保護するフェースガードを装着して代打で登場。阪神ファンだけでなく、巨人ファンが詰めかけた左翼席からもどよめきが起きた。試合に出場したいという執着心で努力を怠らない。午後6時開始のナイターでも午前中に球場入り。マシン打撃やウエートトレーニングで技術を磨き、肉体を鍛え上げる。だが、孤高の存在ではない。若手から相談を受ければ、相手に分かりやすく丁寧に答える。その技術論は「分かりやすい」と阪神ナインからの人望は厚かった。

 将来は阪神の監督になる可能性もあるが、昨オフに退団した経緯を考えると再び指導者として古巣のユニフォームを着るか不透明な状況だ。ロッテファンからは「将来はロッテの監督をやってほしい」という声も上がる。その可能性は決してゼロではない。現役時代にともに自主トレを行い、師と慕う井口監督もロッテの生え抜きではない。1997年ドラフト1位(逆指名)でダイエーに入団して8年間在籍した後に、メジャーで4年間過ごした。日本球界に復帰してロッテで9年間プレーして17年限りで現役引退し、翌18年から監督に就任した。井口監督の前任の伊東勤監督(現中日一軍ヘッドコーチ)も現役時代に西武一筋22年でロッテでのプレー経験はない。

 技術論の引き出し、コミュニケーション能力、ファンを魅了するカリスマ性……鳥谷は名指導者になる素養がそろっている。気の早い話だが、現役を全うした後に「ロッテ・鳥谷監督」が誕生する可能性は十分にあり得るだろう。

写真=BBM
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