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巨人は練習試合“開幕”で大きな収穫。どうなる? 先発ローテ争い

 

3月21日のDeNAとの練習試合で先発し、3回無失点の好投を見せた巨人のA.サンチェス


 開幕が延期となった影響で、練習試合として行われた3月21日のDeNA戦(東京ドーム)は、先発ローテーションに課題を抱えていた巨人にとって収穫の多い一戦となったのではないか。

 まず、菅野智之と並んで先発ローテの柱の1人と期待されている新外国人のA.サンチェスだ。日本のボール(NPB統一球)になじめず、オープン戦は3試合の登板で防御率10.57と不安定な投球に終始。周囲を心配させたが、この日は先発のマウンドに立つと、最速154キロの直球にカットボールなど多彩な変化球を織り交ぜ、4安打を許したものの、要所を締めて3回無失点。「自分の持ち味を出せたと思う。ゴロを打たせられたし、この期間を大切にして開幕に合わせていきたい。前に進むことができているね」と笑顔を見せた。

 日本のボールを操れるようになれば能力は高いと、その力を疑わなかった原辰徳監督も「いろんな球種を投げられましたし、久しぶりの登板だけども、いい調整をしていました」と安どの表情を見せつつ、あらためて「期待は非常に大きな投手」と評価した。

 サンチェス以上のパフォーマンスを見せたのが2番手でマウンドに上がった今村信貴だろう。春季キャンプ途中で二軍に降格していたため、今季一軍対外試合初登板。阿部慎之助二軍監督から助言を受けて習得中のカットボールも駆使し、5回を2安打無失点3奪三振。「初回から全力でいけたと思いますし、ストライクゾーンで勝負できました」と言うとおり、66球とテンポも良く、15のアウトのうち7つがゴロアウトと内容も抜群だった。

 開幕先発ローテ入りを目指す左腕に対し、原監督は「ストライクが先行できて、いろんな変化球も投げられる。経験もあるし、あれぐらいの投球をしていたら非常にいい位置で野球ができると思うね」と評価。今後の一軍帯同も決定した。現状、先発ローテーションは菅野、サンチェスのほかに戸郷翔征田口麗斗が濃厚で、これに直近の登板でアピールに成功した鍬原拓也、そして今村が続く形に。二軍では昨季8勝のC.C.メルセデスも実戦復帰しており、ポジション争いは新たな局面を迎えることになりそうだ。

文=坂本 匠 写真=BBM
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