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オリックス・T-岡田、広島・堂林、阪神・中谷……伸び悩む和製大砲たち

 

 チーム、日本の未来を背負う長距離砲として将来を嘱望されながら、伸び悩む和製大砲は少なくない。技術的な狂い、精神的な問題など原因はさまざまだが、本塁打を打てる素質は稀有な才能だけにこのまま消えてしまうのはもったいない。「背水の陣」で臨む3人のホームランアーティストの活躍に期待したい。

オリックス・T-岡田


・T-岡田(オリックス)
 履正社高では通算55本塁打。甲子園出場はならなかったが、3年夏には準決勝・大阪桐蔭高戦で中田翔(現日本ハム)からバックスクリーンに3ランを放った。2005年の高校生ドラフトで大阪桐蔭高・辻内崇伸(元巨人)の外れ1位でオリックスから指名。開眼したのは岡田彰布監督の提案で、本名から「T-岡田」に登録名を変更した10年だ。ノーステップ打法に改造すると、打率.284、33本塁打、96打点で王貞治(現ソフトバンク球団会長)以来48年ぶりとなる22歳で本塁打王を獲得した。その後のシーズンは試行錯誤が続いたが、17年に全試合出場して31本塁打と7年ぶりのシーズン30本塁打以上をマーク。復活を予感させたが、昨季は20試合出場で打率.120、1本塁打の大不振と苦しんだ。オフはプエルトリコのウインターリーグに参加。プロ15年目は雪辱に燃えている。


・堂林翔太(広島)
 中京大中京高では3年夏の甲子園で全国制覇。2010年にドラフト2位で広島に入団し、当時ヤンキースのスラッガーだったアレックス・ロドリゲスのような選手になってほしいという期待が込められ、背番号「13」になった。プロ3年目の12年に当時の野村謙二郎監督に抜擢され、開幕戦で一軍デビュー。全試合出場して打率.242、チーム最多の14本塁打とスター誕生を予感させた。同年オフには「半永久欠番」だった野村監督の「7」に背番号を変更したが、左手骨折で離脱するなど105試合出場で打率.217、6本塁打と前年を下回った。14年オフにTBSアナウンサーだった桝田絵理奈(現フリーアナウンサ)と結婚。だが、15年以降もレギュラーをつかめず、昨年は過去最少の28試合出場で打率.206、0本塁打と精彩を欠いた。まだ28歳。「広島のプリンス」はこのまま終われない。


・中谷将大(阪神)
 福岡工大城東高で通算20本塁打をマーク。強肩強打の捕手として名を轟かせ、2011年ドラフト3位で阪神に入団した。持ち味の打撃力を生かすためにすぐに外野にコンバート。15年に11試合、16年に64試合と順調に出場数を増やしていった。17年に自己最多の133試合に出場して打率.241、20本塁打、61打点をマーク。チームの生え抜き右打者で20本塁打以上は06年の濱中治以来11年ぶりの快挙だった。阪神の「若き主砲」として大ブレークが期待されたが、翌18年はオープン戦の打撃不振で開幕二軍スタート。77試合出場で5本塁打に終わると、昨年も62試合出場で打率.181、6本塁打と確実性を欠いた。近本光司福留孝介糸井嘉男高山俊、新外国人・サンズとライバルは多いが、持ち味の長打力で輝きを取り戻したい。

写真=BBM
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