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秋山翔吾選手は日本と同様に守ることができる?/元ソフトバンク・柴原洋に聞く

 

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は外野守備編。回答者は現役時代にゴールデン・グラブ賞を3回獲得した、元ソフトバンク柴原洋氏だ。

Q.秋山翔吾選手がレッズに入団しました。出塁率の高さとともに、外野守備力が高く評価されているようですが、秋山選手の外野守備の良さを教えてください。また、メジャーでも苦しむことなく日本と同じように守ることができるのでしょうか?(山形県・24歳)


レッズ・秋山翔吾


 秋山選手の外野守備は間違いなく日本では5本の指に入る守備力があると思います。一歩目の速さもありますし、打球判断も優れていて、単純に捕球することに関しては何も問題はないのではないでしょうか。もちろん、パワーのある選手が多く、日本とは異なる質の打球もあるでしょうから、そのあたりに慣れていく必要があると思いますが、秋山選手ほどのプレーヤーならばスプリングトレーニングと、それに続くいわゆるオープン戦などで感覚をつかんでいくでしょう。

 レッズの本拠地であるグレート・アメリカン・ボールパークは広くはないスタジアムとのことですから、秋山選手は決して強肩ではありませんが、捕球からスローイングまで素早いですし、コントロールも良いので、トータルで守備力が高く評価されるのも当然と言えると思います。タイプとしては堅実で守備率も高いですよね。

 問題があるとしたら、まず1点目が日本とは異なるきれいな扇型ではないスタジアムが多いこと。シーズンの半分のホームでは良いですが、インターリーグなど普段とは異なる形での試合のときにすぐに対応しなければいけません。日本でも地方球場での試合はありましたが、広さやグラウンドの状態こと違えど、形は大きくは変わりませんからね。

 そして一番のネックはコミュニケーションだと思います。これはスタジアムの違いを克服することにもつながるのですが、センターを守るのであれば、両サイド(レフト、ライト)との関係や、二遊間との連携も図っていかなければなりません。掛け声の違いや、大まかな部分はスプリングトレーニング中に詰めていって解決すればいいのですが、シーズンが始まって、試合中やイニング間なども絶えずポジショニングについてなど、話をして改善させていくことが出てきますから、少し苦労するかもしれません。ただ、秋山選手のことですから、早い段階でクリアにすると思いますし、期待しています。

●柴原洋(しばはら・ひろし)
1974年5月23日生まれ。福岡県出身。北九州高から九州共立大を経て97年ドラフト3位でダイエー(現ソフトバンク)入団。11年現役引退。現役生活15年の通算成績は1452試合出場、打率.282、54本塁打、463打点、85盗塁。

『週刊ベースボール』2020年3月9日号(2月26日発売)より

写真=Getty Images
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