新人2人の開幕投手も面白い?
2回、打撃投手を務めた佐々木
新型コロナウイルスの蔓延で、日本中がとんでもない状態になっている。
あまりに軽率だった
藤浪晋太郎はじめ
阪神の若手についての話は、今週号の「週べ」で書いたので、ここでは触れない。
けっこうキツめになったが、真っ当なことを書いたつもりだ。機会があれば読んでみてほしい。
もはや開幕が5月にずれ込むことが確実視されているが、その中で少しでも明るい話題を探すとしたら、やはり
ロッテの新人・
佐々木朗希だろう。
先日、早くも打撃練習に登板していたが、あれはすごい、いや、すごすぎる。
150キロ台後半の真っすぐもそうだが、スライダーもキレ味抜群。
このまま一軍のゲームに登板しても、3イニングくらいなら問題なく抑えられるだろう。
一般的には新人が打撃練習で初登板というと、「バッター相手に緊張し、ストライクが入りませんでした」となることが多いが、佐々木は別次元だね。
立ち居振る舞いが堂々とし、腕もしっかり振れていた。
フォームは抑え気味だったが、それでも156、157キロだからね。まあ、むしろ抑え気味にしたことで、いい意味で力が抜けていたと言えるのかもしれない。
高校時代に150キロと言われた投手がプロに入ったら140キロ台前半しか出ないというのはよくあるが、あの球を見ていたら、目いっぱい投げたら、今の段階でも160キロは出るんじゃないかな。
真っすぐだけなら、
松坂大輔や
田中将大の新人時代を遥かに超えている。
すごい新人が出てきたものだ。
佐々木は甲子園にも出ていないし、未知の大器というのか、分からないぶん、期待感が高まる。
もちろん俺は見たことなんてないが、戦前の
沢村栄治さんみたいなものかな。
中等学校を中退した17歳が、メジャー相手に1失点完投で、日本中、そしてアメリカに名前を轟かせたと聞く。
佐々木を沢村の再来というと、大げさと言われそうだが、野球が完全に中断中のいま、そのくらいの夢を語ってもいいだろう。
佐々木の一軍デビューが今から楽しみで仕方がない。いきなりノーヒットノーランとかしたら球界も盛り上がるだろうな。
ヤクルトの新人・
奥川恭伸もヒジ痛が順調に回復しているらしい。
二軍の試合もストップしているが、公式戦がないことで、焦らず、じっくり調整できるプラスはあるだろう。
もともと完成度の高い投手だし、ヤクルトの台所事情を考えると、実際の一軍デビューは佐々木より早いかもしれない。
2人の競演が7月くらいに遅れた交流戦で見られたら……、いや、まさかだけど、そのくらいからの開幕になったら2人とも開幕投手候補になっているかもしれないね。
それにしても、いつからプロ野球は再開できるのか。野球教室も軒並み中止だし、俺たち解説者は完全に干上がっちゃいそうだよ。
写真=BBM