週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

パ・リーグ6球団 最後のMVPは?

 

千葉ロッテマリーンズ



 2005年の日本一はレギュラーシーズン勝率2位、2010年も3位からの下克上Vだっただけに、MVPとなると12球団でもっとも遠ざかる1985年の落合博満までさかのぼらなければならない。この年、チームは2年連続の2位に終わったが、落合は球史に残る破格の打棒を発揮した。打率.367は当時の右打者で歴代最高打率記録、130試合制で放った52本塁打は当時のパ・リーグタイ記録、そして今でもパ・リーグ最多記録として残る146打点を挙げて82年に続く2度目の三冠王を獲得。82年に続く自身2度目のMVPを手にしている。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 創設9年目の2013年、楽天は球団初のリーグ制覇、日本一を達成したが、これは絶対的エース・田中将大の神懸かった活躍ぶりを抜きに語れない。28試合に登板して24勝0敗、防御率1.24。規定投球回に達しての勝率10割は史上4人目で、シーズン無敗での最多勝を手にしたのは史上初の快挙だった。このシーズンは最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率と投手タイトルをほぼ総なめ。最多奪三振(183個)こそ金子千尋オリックス、200個)に譲ったが、沢村賞、MVPも獲得して、まさに「マー君の年」。この年限りで楽天を退団し、アメリカへ羽ばたいていった。

埼玉西武ライオンズ



 打率.329をマークし、捕手としては史上4人目の首位打者に輝いた2019年、森友哉が高卒6年目でMVPに輝いた。打率だけでなく、23本塁打、105打点と長打力に勝負強さを兼ね備え、主戦捕手としてもグラウンドに立ち、チームは連覇を果たした。しかし、チーム防御率は2年連続リーグワースト。心からの満足感は得ることができずに、「バッテリーで勝つ試合を増やしたい」と今季に向け、口グセのように語っている。キャンプで例年以上に守備力アップに努め、実戦では自慢の打撃は相変わらずの力を発揮。開幕すれば、昨季以上にパワーアップした姿を見せてくれるはずだ。

福岡ソフトバンクホークス



 2017年、D.サファテが前人未到の活躍を見せた。開幕カード3連投3セーブでスタートすると、その後も怒涛の勢いでセーブを続ける。登板66試合のうちセーブ機会での登板は55試合で、失敗はわずかに1度だけ。NPB記録を大きく更新する54セーブという記録は、今後もそう簡単に破られることはないだろう。また、すごさをあらためて感じさせたのが、11月4日のDeNAとの日本シリーズ第6戦(ヤフオクドーム)。延長10回からマウンドに上がり、来日初となる3イニング。日本一に導く気迫の投球だった。レギュラーシーズン、ポストシーズン含めて、文句なしのMVPだ。あれから3年――。股関節手術からの完全復活を目指すサファテは、今年は順調に歩みを進めている。本拠地のマウンドに“キング”が帰ってくるのを、ファンは首を長くして待っている。

北海道日本ハムファイターズ



 球史にその名を刻む伝説のシーズンだった。プロ4年目を迎えた大谷翔平が投打のリアル二刀流で本格覚醒したのが2016年。リーグ優勝決定試合(9月28日=西武戦/西武プリンス)での圧巻の1安打完封勝利をはじめ、「一番・投手」での衝撃の先頭打者アーチ、ソフトバンクとのCSファイナルステージ(10月16日/札幌ドーム)でのプロ野球最速となる165キロなど……次々に異次元の活躍を見せる姿はマンガの世界の主人公のようだった。10年ぶりの日本一の原動力となった大谷は文句なしにパ・リーグのMVPに輝き、さらに史上初となる投手と指名打者でベストナインを同時受賞する快挙も成し遂げた。

オリックス・バファローズ


オリックス・金子千尋(現弌大。日本ハム)


 快投の連続でチームの2位躍進の原動力となった。絶対的エースとして金子千尋(現弌大)が躍動した2014年。4月4日の西武戦(西武ドーム)で自己最多14奪三振での完封でシーズン初勝利を挙げると、同26日の対楽天戦(京セラドーム)では14奪三振、被安打1の完封。5月31日の巨人戦(京セラドーム)では援護なく勝ち負けはつかずも、9回を無安打無得点に封じるなど圧巻の投球を続け、16勝5敗、防御率1.98を記録し、最多勝、最優秀防御率、沢村賞を受賞した。チームはソフトバンクとゲーム差なしの2位と、18年ぶりの優勝を逃したが、右腕がシーズンMVPに。Vチーム以外からのMVP選出は、2リーグ制以降、パ史上9人目のことだった。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング