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セ・リーグ6球団 最後のMVPは?

 

読売ジャイアンツ



 5年ぶりに覇権を奪回した昨季、キャプテンとしてチームを引っ張った坂本勇人が初受賞した。ショートという負担の大きいポジションで全143試合に出場し、打率.312、キャリアハイの40本塁打、94打点と一時は三冠王をうかがうほど。久々に現場復帰した原辰徳監督肝いりの「初回に2点以上を取る打線」のカギを握る二番をメーンに打って、時にはポイントゲッターに、時にはチャンスメーカーにと最高殊勲選手にふさわしい働きだった。なお、坂本の前のMVP受賞者は2014年に12勝5敗ながら防御率2.33でタイトルを獲得した菅野智之で、過去10年では坂本、菅野のほかに12年に阿部慎之助(現二軍監督)が受賞している。

横浜DeNAベイスターズ



 さかのぼること22年前、1998年に38年ぶりの優勝はクローザー・佐々木主浩の存在なくしては成し得なかった。圧倒的な球威とフォークボールで45セーブ、防御率0.64と圧倒的な数字で9回に君臨。リーグV&日本一へと導いた「ハマの大魔神」は、MVPはじめ、最多セーブ、ベストナイン、正力松太郎賞、日本プロスポーツ大賞などその年のタイトルを総なめにした。球団史上MVP受賞者は2人。佐々木の前は、60年に初のリーグV&日本一となったときのエース・秋山登。つまり、優勝に貢献した投手が受賞してきた。球団史上3人目のMVP誕生はいつになるのか……。

阪神タイガース



 阪神選手の歴代MVPはリーグ優勝と大きな結びつきがある。1962年は村山実、85年はバース、2003年は井川慶だった。そして15年前の05年優勝に大きく貢献したのが四番を務めた金本知憲だった。この年、打率.327、40本塁打、125打点の好成績を残すもこの3部門でのタイトル獲得なし。本塁打、打点がリーグ2位、打率が3位という結果だった。それでも2年ぶりのリーグ優勝に欠かせない四番打者としてチームをけん引。誰もが納得するMVP獲得となった。

広島東洋カープ


広島丸佳浩(現巨人)


 広島では、2017年、18年と2年連続で栄冠を手にした丸佳浩(現巨人)が、もっとも最近のMVPだ。17年は打率.308、23本塁打、92打点、18年は打率.306、39本塁打、97打点で、ともにリーグ優勝に大きく貢献し、選ばれている。もっとも最近の18年では、価値が高かったのはその出塁率だ。オールスター休みを過ぎた7月22日の時点でも5割をキープ、シーズン終了段階でも.468の高率を誇った。安打数の132を上回る133個の四死球を得ていたのだから、その選球眼のよさとともに、いかに相手バッテリーに警戒されていたかが分かる。133個の四死球のうち、四球は130。これは歴代4位タイに当たる数字だった。

中日ドラゴンズ



 球団史にその名を刻んだセットアッパーだ。2010年には主に中継ぎとして72試合に登板して、47ホールドの日本新記録を樹立。そして翌11年には球団新記録となる79試合に登板して45ホールドをマークした。このシーズン、87回1/3を投げて自責点はわずか4で防御率0.41、被本塁打はゼロと抜群の安定感を誇った。自身は2年連続最優秀中継ぎ投手に輝き、チームは球団史上初となるリーグ連覇を達成。優勝を決めた10月18日の横浜戦(横浜)ではロングリリーフを任され、最後の打者・筒香嘉智(現レイズ)を空振り三振に仕留めて胴上げ投手となった。中継ぎながらリーグMVPに選出されたが、文句なしの結果と言えるだろう。

東京ヤクルトスワローズ



 14年ぶりのリーグ優勝を果たした2015年、山田哲人が選ばれた。山田哲はこの年、打率.329、38本塁打、34盗塁で自身初のトリプルスリーを達成。バレンティン(現ソフトバンク)がわずか15試合出場で、主砲が抜けた穴を、首位打者を獲得した川端慎吾とともに埋める活躍を見せた。ちなみにパ・リーグのMVPも、同様にトリプルスリーを達成した柳田悠岐で、「トリプルスリー」は流行語大賞の年間大賞に選ばれている。その後、山田哲はトリプルスリーを自身の代名詞とし、過去に3度(15年、16年、18年)達成している。

写真=BBM
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