週刊ベースボールONLINE

社会人野球リポート

なるか名門再建。JX-ENEOSに復帰した大久保秀昭監督の決意

 

昨年12月1日に就任したJX-ENEOS・大久保秀昭監督は、愛着ある野球部を再建するために戻ってきた


 強豪復活のため昨年12月、古巣へカムバックした。同年11月、母校を率い、19年ぶりに明治神宮大会優勝。慶大での任期を残しながら、大久保秀昭監督は「見過ごすことはできない」と愛着あるJX-ENEOSのユニフォームにソデを通す。同社は都市対抗最多11度(2位は東芝の7度)の優勝を誇る名門だが、昨年まで4年連続で東京ドームへの切符を逃している。

 大久保監督は前回の在任時(2006〜14年)、都市対抗は12、13年の連覇を含む3度、日本選手権1度の優勝へ導いた。慶大でも5年間で3度の東京六大学リーグ制覇。確かな手腕を誇る名将には、低迷からの脱却が期待される。

 就任から4カ月余り。活動拠点である「ENEOSとどろきグラウンド」(神奈川県川崎市)には活気があった。

 毎年、7月に開催されていた都市対抗野球大会。今年は東京五輪が開催予定だったため、11月22日に開幕という変則日程が組まれている。5年ぶりの出場を目指す西関東予選(横浜スタジアム)は9月14日から3日間の予定。新型コロナウイルスの感染拡大により、公式戦中止も相次ぎ、コンディションの調整が難しくなっているが、9月に照準を合わせる。

 とはいえ、出場はあくまでも最低目標であり、ゴールは当然、その先。つまり、優勝だ。

「歴代の先輩方は勝利を求められ、しっかり勝ってきた。『お祭り野球』では、意味がありません。一過性ではなく、ENEOSには安定感が求められている」

 選手たちには常に「危機感」を植え付けてきた。仮に5年連続で出場を逃せば「大問題」に発展しかねないと、警鐘を鳴らしている。

「このプレッシャーに耐えられないようでは、東京ドーム(都市対抗)で(1回戦から決勝まで)5試合、勝ち上がることはできないです」

 選手の掌握術に長ける大久保監督。グラウンドでは、選手、スタッフとのコミュニケーションを欠かさず行い、その方針は日々、浸透している。都市対抗予選までにどう仕上げてくるか、チームビルディングに注目が集まる。

文=岡本朋祐 写真=大賀章好
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング