入団して数年以内に活躍したが、翌年に結果を残せないときに使われる言葉として、「2年目のジンクス」がある。相手から研究されても好成績を残すことは容易なことではない。では実際に新人王に輝いた選手たちは「2年目のジンクス」にどれぐらいの割合でなっているのだろうか。過去5年で新人王を獲得した選手たちの数字を見ると意外なデータが出た。
※上段が新人王のときの成績、下段が翌年の成績。カッコ内は当時の所属球団 ・セリーグ新人王
2015年 山崎康晃(DeNA)
58試合登板 2勝4敗37セーブ、防御率1.92
59試合登板 2勝5敗33セーブ、防御率3.59
2016年
高山俊(
阪神)
134試合出場 打率.275、8本塁打、65打点、5盗塁
103試合出場 打率.250、6本塁打、24打点、6盗塁
2017年
京田陽太(
中日)
141試合出場 打率.264、4本塁打、36打点、23盗塁
143試合出場 打率.235、4本塁打、44打点、20盗塁
2018年
東克樹(DeNA)
24試合登板 11勝5敗、防御率2.45
7試合登板 4勝2敗、防御率3.76
2019年
村上宗隆(
ヤクルト)
143試合出場 打率.231、36本塁打、96打点、5盗塁
・パリーグ新人王
2015年
有原航平(
日本ハム)
18試合登板 8勝6敗、防御率4.79
22試合登板 11勝9敗、防御率2.94
2016年
高梨裕稔(日本ハム)
37試合登板 10勝2敗、防御率2.38
22試合登板 7勝7敗、防御率3.68
2017年 源田壮亮(西武)
143試合出場 打率.270、3本塁打、57打点、37盗塁
143試合出場 打率.278、4本塁打、57打点、34盗塁
2018年
田中和基(
楽天)
105試合出場 打率.265、18本塁打、45打点、21盗塁
59試合出場 打率.188、 1本塁打、9打点、3盗塁
2019年
高橋礼(
ソフトバンク)
23試合登板 12勝6敗、防御率3.34
セリーグを見ると、新人王を獲得した選手たちの成績が軒並み下降している。山崎康は2年目も33セーブを挙げているので立派な数字だが、防御率は前年より大きく悪化した。高山、京田も不本意な成績に終わり、東は左ヒジの状態が思わしくなく、プロ2年目は満足に投げられず。今年2月にトミー・ジョン手術を受けた。
一方、パリーグは高梨、田中が新人王の翌年に成績を落としたが、有原、源田は2年目のほうが好成績を残している。現在はともに球界を代表する選手に成長している。マークが厳しくなっても成績を残すのが一流の証と言えるだろう。
昨年新人王に輝いた村上と高橋礼は相手の徹底マークが予想される。「2年目のジンクス」に陥るか、この壁を乗り越えて球界を代表する選手に飛躍するか。真価を問われる年になりそうだ。
写真=BBM