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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

DeNA・田部隼人 確実性ある打撃で一軍を目指す

 

大柄ながら柔軟性のある打撃は天性のもの


 近年になくファームの選手たちが元気な印象を受けるのは気のせいだろうか。シーズン開幕を待つ状況ではあるが、今年のベイスターズは“下”からの突き上げが激しい。特に野手では、百瀬大騎宮本秀明関根大気知野直人飛雄馬らがチャンスを生かそうと一軍、もしくは二軍の実戦でアピールを重ねてきた。

 ルーキーも同様だ。4人の野手が沖縄キャンプから実戦で、生き生きとプレーしている。そんななかでドラフト5位入団の田部隼人が面白い存在。梶谷隆幸と同じ島根・開星高出身。身長185センチの大型遊撃手で甲子園でのプレー経験はないものの、同期入団で同じ高卒内野手であるドラフト1位の森敬斗に対しても見劣りしない。

 2月25日の中日二軍との練習試合(読谷)では、松葉貴大から3ランを左翼スタンドへ運び、長打力を見せつけた。とはいえ、田部は「僕はけっして長距離打者ではない」と言う。「自分の武器は当てること。ミートには自信があります」と自己分析する。

 実際に、高校時代の通算本塁打は15本と多くない。一方で特筆すべきは打率で、公式戦通算打率.409とハイアベレージを残している。2年秋の大会では警戒する相手チームが中堅から左の外野に野手4人を配置する「田部シフト」を敷かれるも、かまわず強振してレフト前ヒットにした。「あれは、(相手が取った自分への)ひっぱり対策なので」と謙遜するが、強打を裏付ける一つのエピソードだろう。

 試合に出るためには、遊撃の守備も向上させる必要がある。「守りではハンドリングに自信あります。入団する前は(自分の)肩は強いほうだと思っていたけど、森とかもすごいので、あまり言わないようにします」と笑顔をのぞかる田部の背番号「55」。筒香嘉智がルーキーイヤーに着けた同じ番号を背負い、1日も早い一軍昇格を目指す。
文=滝川和臣 写真=榎本郁也
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