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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

若き大砲候補・ソフトバンクのリチャードがあこがれる本塁打

 

3月16日に支配下となったリチャード(新しい背番号は「52」)


 誰よりも強く、誰よりも遠く――。ホームランは見る者の心をわしづかみにし、球場の雰囲気をガラリと変える。

 球界を代表するスラッガーたちは、自らホームランに魅了され、強いこだわりを持っている選手が多い。ソフトバンク柳田悠岐は、以前「(ホームランって)“楽しい”ですよね。インパクトの瞬間とそのときの感触。そして、打って(ボールが)飛んでいくときが一番楽しいです」と笑みを浮かべながら、その魅力を教えてくれた。

 今年、将来のソフトバンク四番を期待される大砲候補が、新たな一歩を踏み出した。本名・砂川リチャードから登録名を変更したリチャードは、3月16日、支配下登録を果たした。2018年に育成ドラフト3位で入団。持ち前のパワーを生かした打撃は入団当初から注目されていて、飛距離だけなら柳田以上との声も。リチャード自身も、全神経を集中させてとらえたときの飛距離なら誰にも負けないと胸を張る。

 リチャードにとっても、やはりホームランは特別なものだ。「特に“ここ!”と言うときには必ず打ちたい」。チームを勝利に導く一発へは、より一層こだわりを強める。そんな若きスラッガーが、ちょっとした夢を語ってくれた。

「横浜スタジアムの電光掲示板を破壊したいなって」

 覚えている方も多いだろう。2015年の交流戦(6月3日)、横浜スタジアムでのDeNA戦で、柳田が代名詞のフルスイングを見せると、打球はバックスクリーンへ。すさまじい弾道で電光掲示板に直撃すると、打球が当たった箇所は一時、発光不能になった。球史に残る衝撃的な一発だ。

 これにあこがれたリチャードは、3月7日に横浜スタジアムで行われたDeNAとのオープン戦で、密かに、練習から電光掲示板の破壊を狙っていたという。しかし、打撃練習は室内で行われ、試合では空三振と一ゴロに終わった。「今年の交流戦で、ですね」と仕切り直していたのだが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、交流戦は中止が濃厚。残念ながらまたお預けとなりそうだ。

 いつか電光掲示板破壊弾は、ぜひ見たい。それにとどまらず、リチャードなら、とんでもない一発を次々と見せてくれるだろう。背番号52が見せる豪快なスイングは、ロマンにあふれている。

文=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭
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