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パ・リーグ6球団 2011年ドラフト1位の現在地は?

 

北海道日本ハムファイターズ



 この年のドラフトの主役は間違いなくこの男だった。4球団競合の末に日本ハムに入団。1年目から6勝をマークして順風満帆のスタートを切ったかに見えたが……現実はそんなに甘いものではなかった。2年目以降は思うように勝ち星を挙げられず、一軍と二軍を行ったり来たりの日々。直近の2年間は一軍未勝利に終わっており、節目のプロ10年目となる今季はまさに背水の陣。キャンプこそ一軍メンバーに選ばれたが、実戦で結果を出せずに二軍落ち。新たな球種にカーブを加えて巻き返しに燃えているが、新型コロナウイルスの影響が出る前のオープン戦でも打ち込まれて苦しいマウンドが続いている。「ハンカチ王子」として日本中を沸かせたあの夏から14年──。斎藤佑樹はこのまま終わってしまうのか、再び輝けるのか。野球人生の大きな分岐点となる、勝負の1年が始まる。

埼玉西武ライオンズ



 2010年秋のドラフトで6球団に1位指名された大石達也(早大)。当時の渡辺久信監督(現GM)が見事にクジを引き当て西武に入団したが、ケガもありプロの舞台で能力を発揮することができなかった。昨年限りで現役引退。プロ9年で通算132試合に登板、5勝6敗8セーブ、12ホールド、防御率3.64に終わった。今年からは球団本部ファーム・育成グループスタッフに所属。2月下旬に渡米し、ニューヨーク・メッツでシーズン通して研修を行う予定だったが、アメリカで新型コロナウイルス感染拡大を受けて、残念ながら3月中旬に日本へ帰国した。

福岡ソフトバンクホークス



 ドラフト2位で柳田悠岐、育成では千賀滉大(4位)、牧原大成(5位)、甲斐拓也(6位)と今のチームを背負う選手が入団し、当たり年ともいわれる2010年秋のドラフト。1位で入団したのは、現在は楽天に所属する山下斐紹だった。外れ1位ながら強肩と強打を評価されると、高卒1年目から春季キャンプA組(一軍)を経験するなど期待は大きかった。世代交代を迎えたチームの中で、正捕手候補の筆頭に。しかし、自身が結果を残すことができない一方で、同期のライバル・甲斐が台頭。17年オフに西田哲朗と交換トレードとなった。楽天でもなかなかポジションをつかめずにいるが、嶋基宏(現ヤクルト)が抜けた20年シーズン。強みである打力を生かして、若手に負けじと意地を見せられるか。

千葉ロッテマリーンズ



 4球団が重複した斎藤佑樹(早大)の外れ1位でまたもやオリックスと競合の末、交渉権を引き当てたのが大学No.1野手と言われた東海大の俊足外野手だった。2010年限りで引退した堀幸一の背負った背番号「5」を受け継ぐと、いきなり開幕一軍入り。すぐにスタメンに定着して1年目から規定打席に到達し、32盗塁と鮮烈なデビューを飾った。だが、その後は思うように輝きを放つことができず、徐々にケガも多くなって持ち前のスピードが鳴りを潜めていく。一軍出場がなかった19年限りでユニフォームを脱ぎ、今季から「走塁コーチ兼打撃コーチ補佐兼外野守備コーチ補佐」という長い肩書とともに指導者としてのスタートを切っている。

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・塩見貴洋


 2010年秋のドラフト。楽天は第1回入札で6球団が競合した大石達也(早大)を抽選で外す。次に指名したのは左腕・塩見貴洋(八戸大)で、こちらもヤクルトと競合するも抽選の末に交渉権を獲得した。この年、西武から3位指名を受けた秋山翔吾(現レッズ)は八戸大のチームメートで、プロ入り後は同一リーグのライバルとして意識する存在となった。ここ数年は腰痛に苦しみ、2018年10月に手術。以降もその影響を引きずり、昨季は3勝止まりだった。それでも今季は4年ぶりに春季キャンプを完走するなど復調傾向にある。腰の違和感で離脱した岸孝之の代役に浮上しており、先発での復活が期待されている。

オリックス・バファローズ


オリックス・後藤駿太


 抽選“外れ”3度の末のドラフト1位とあって、後藤駿太自身も「ドライチだと思ったことはない」と言う。それでも1年目に、球団史上初、球界としても1959年の東映・張本勲以来52年ぶりとなる高卒新人の外野手として開幕スタメン(九番・右翼)を果たすなど、ルーキーイヤーから期待は大きかった。ただ、“打力”が課題でレギュラー定着には至らず。小田裕也宗佑磨佐野皓大ら俊足巧打の同タイプが続々と台頭してきており、出場機会を虎視眈々とうかがい続ける。順調にいけば今季中にFA権を取得するが、移籍は頭になくシーズンに集中。俊足を生かした広い守備範囲に強肩を携えた高い守備力は球界でもトップクラスだけに、今季こそレギュラー奪取を誓う。

写真=BBM
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