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現在のペースなら歴代1位が狙えそうな記録は?

 

 NPBの通算最高記録には、王貞治の868本塁打や福本豊の1065盗塁、金田正一の400勝など、レジェンドの残した不滅の記録の数々が並んでいる。これらはまず更新されることがないと思える偉大な記録だが、通算最高記録の中には、現役選手が現在の成績を維持すれば、最高記録を更新するかもしれないものがいくつかある。今回は、「現在のペースなら歴代1位が狙えそうな記録」を紹介する。

バントの神様の記録を超える可能性があるのは……



 通算記録を更新する可能性が高いのが「犠打」だ。歴代最高は、バント技術の高さから「バントの神様」とも呼ばれた川相昌弘が残した533犠打。それまで平野謙の持っていた451犠打を大きく上回る記録更新となった。しかし、現役選手にこれを超える可能性のある選手が2人いる。ソフトバンク今宮健太と、広島の菊池涼介だ。

 今宮は2013年、2014年と2年連続で62犠打を達成するなど、プロ9年で早くも歴代7位の299犠打を記録。史上最年少での通算200犠打、250犠打も記録した。近年は長打力を期待されて中軸を任されることが多く、それに伴い犠打数も減っているが、再び「つなぐ役割」を任されるようになれば、最多記録更新も夢ではない。

 広島の菊池もプロ8年で歴代14位の278犠打とかなりのハイペースで数字を積み重ねている選手だ。2013年にはリーグ最高の50犠打を達成。2015年から2019年まで5年連続でリーグ最多犠打を記録している。同じペースを維持できるのなら、あと8シーズンで533犠打を超えることになる。

DeNA不動の守護神が歴代最多に挑む



 次に最多記録の更新が期待されるのは「セーブ」だ。現在の通算最高記録は、岩瀬仁紀が記録した407セーブだが、DeNA不動の守護神・山崎康晃は岩瀬の記録を超える可能性がある。

 2015年ドラフト1位で入団した山崎は、オープン戦で活躍したことから開幕前にいきなり抑えを任され、この年は2勝4敗37セーブを記録。見事にチームの抜擢に応え、新人王にも選ばれた。翌2016年は33セーブ、2017年は26セーブとコンスタントに活躍し、2018年と2019年は2年連続でリーグ最多セーブ数を達成。プロ5年目で早くも歴代12位タイとなる163セーブに到達した。

 岩瀬が残した最多記録との差は244。仮に毎シーズン31セーブを続けていけば、8年で最多記録更新だ。山崎はまだ27歳と若いため、記録更新の可能性は大いにある。

西武の中村や巨人の坂本も歴代最高に挑戦中



 強打者にはつきものの「三振」は、清原和博の1955三振が歴代最多。だが、この数字を上回ろうとしているのが西武の中村剛也だ。実働17年間で積み重ねた三振数は歴代3位の1725。トップとの差はわずかに230しかない。中村は毎年コンスタントに100三振以上を記録しており、また36歳となった現在もチームに欠かせない戦力のため、今後も一定の三振数を記録する可能性が高い。順調なら、後2シーズンもあれば歴代最多になるだろう。

 巨人坂本勇人が挑むのが「最多安打記録」だ。通算最多は張本勲が実働22年間で残した3085安打。坂本は実働13年で歴代61位の1884安打となかなかのペースで数字を積み重ねている。1年当たり約145本のペースなので、仮に坂本が張本と同じ22年プレーしたとすると残りは9年。145×9=1305本で、現在の1884安打と合計すれば通算3189安打で歴代1位になる。もちろん年齢を重ねると打力は落ちるので計算どおりにはいかないが、例えば調子のいい今のうちに170安打以上を何年か続けられれば、歴代最多更新の可能性はグッと高まるだろう。

 現役選手の中には、すでに歴代1位の記録を持っている選手もいる。ヤクルト青木宣親日本ハム宮西尚生だ。青木は通算打率が.326で現在歴代トップ。今後の打撃成績次第で歴代1位から陥落する可能性もあるが、それでも現役にこだわり、偉大な記録を維持し続ける青木の活躍を応援したい。日本ハムの宮西の持つ337ホールド、370ホールドポイントも歴代最高の成績だ。昨シーズンもリーグ最高の43ホールドを記録。今後もさらに数字を積み重ねてくれるだろう。

 現在のペースを維持すれば、歴代最高記録を超えるかもしれない現役選手を紹介した。今シーズンは新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れており、もしかすると143試合行われない可能性もある。偉大な記録を超えるかもしれない選手にとって、試合数が減るとそれだけ不利になる。特に通算最多安打に挑む坂本は、試合数が減って安打数が稼げなくなるのは痛いところ。現役選手たちが気持ちよく歴代1位に挑むためにも、早期に事態が収束し、開幕してくれることを切に願う。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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