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ドラフト1位の新人王は何人? 下位指名での受賞者は?

 

「最優秀新人」、いわゆる新人王は、そのシーズンに最も活躍したルーキーらがセ・パそれぞれから選出されるタイトルだ。こうした新人王を受賞するのは、ドラフト1位指名を受けた選手が多いイメージがある。果たしてドラフト1位指名で入団し、新人王に選出されたルーキーは過去何人いるのだろうか? ドラフト1位指名の新人王受賞、下位指名での新人王受賞者の数を調べてみた。

1966年以降の受賞者のうちドラ1選手は半数以上


近鉄・野茂英雄


 新人王の選手表彰は1950年からスタートしているが、ドラフト制度は1965年から始まっている。つまり、ドラフトで入団した選手が新人王に選ばれたのは1966年が最初だ。1966年以降、103人が新人王に選ばれており、今回はこの103人のドラフト指名順位を調べてみた。その結果、以下のようになった。
※( )内は指名されたドラフトが行われた年

●ドラフト1位指名……54人
堀内恒夫(1965年)、田淵幸一(1968年)、原辰徳(1980年)、清原和博(1985年)、野茂英雄(1989年)、松坂大輔(1998年)、田中将大(2006年)、村上宗隆(2017年)など。

●ドラフト2位指名……14人
三井雅晴(1972年)、大石大二郎(1980年)、小早川毅彦(1981年)、荒井幸雄(1985年)、久慈照嘉(1991年)、仁志敏久(1995年)、小関竜也(1994年)、大久保勝信(2000年)、榊原諒(2008年)、牧田和久(2010年)、小川泰弘(2012年)、則本昂大(2012年)、京田陽太(2016年)、高橋礼(2017年)。

●ドラフト3位指名……10人
角三男(1976年)、二村忠美(1982年)、藤田浩雅(1982年)、熊野輝光(1984年)、笘篠賢治(1988年)、金子誠(1993年)、梵英心(2005年)、上園啓史(2006年)、源田壮亮、(2016年)、田中和基(2016年)。


●ドラフト4位指名……5人
村上之宏(1976年)、赤星憲広(2000年)、青木宣親(2003年)、益田直也(2011年)、高梨裕稔(2013年)。

●ドラフト5位指名……5人
皆川康夫(1970年)、森田幸一(1990年)、小坂誠(1996年)、金城龍彦(1998年)、攝津正(2008年)。

●ドラフト6位以下指名……4人
武上四郎(1968年8位指名)、関本四十四(1967年ドラフト10位指名)、安田猛(1971年ドラフト6位指名)、三瀬幸司(2003年ドラフト7位指名)。

●育成枠指名……2人
山口鉄也(2005年育成1位)、松本哲也(2006年育成3位)

●希望入団枠……2人
八木智哉(2005年)、小松聖(2006年)

●自由獲得枠……5人
石川雅規(2002年)、木佐貫洋(2002年)、和田毅(2002年)、川島亮(2003年)、久保康友(2004年)

●ドラフト外入団……2人
加藤初(1971年)、松沼博久(1978年)

ソフトバンク・高橋礼


 1966年以降の新人王受賞者103人のうち、ドラフト1位指名で入団した選手は54人。全体の約52.4パーセントとほぼ半数。高い評価を受けてドラ1指名されているだけに、いきなり新人王に値する活躍を見せる選手は多いようだ。

 2位指名での新人王受賞者は、2019年シーズンに受賞したソフトバンクの高橋など14人。3位指名での受賞者は10人という結果になった。1位指名選手の54人には及ばないものの、受賞した選手は後にチームの柱に成長した実力者ばかりだ。

 ドラフト4位指名は5人、5位指名も5人とやはり下位になるにつれて受賞人数は減っており、6位以下になると4人しかいない。ドラフト下位は、将来的な成長を期待されての指名や、バックアップ要員としての指名が多く、いきなり一軍に抜擢されるケースは少ない。その結果、思うようなプレーができずに自由契約となったり、ある程度活躍できた選手でも、要所要所で使われるうちに新人王資格を失ったりということも少なくない。そのため、上位指名と比べると、下位指名での新人王は非常に難易度が高いといえる。

 下位指名よりも難しいのが、育成枠入団での新人王だ。育成選手制度は2005年から導入されたが、これまでに新人王を受賞した育成出身選手はわずかに2人。育成制度が定着したここ数年は、毎年優秀な選手が支配下登録されて一軍でも活躍しているが、新人王受賞となると、2009年に受賞した松本哲也以降、新人王受賞者は出ていないのだ。

 今シーズンはロッテの佐々木朗希など2019年ドラフト1位指名選手に注目が集まっているが、下位指名もオープン戦で好調だった選手が多く、誰が新人王を受賞してもおかしくない状況。また、2017年、2018年ドラフト組の中で新人王資格を保有している選手にも、2年目、3年目での飛躍が期待できる選手がいる。今年は新型コロナウイルスの影響で開幕が不透明だが、過去受賞者の半数以上を占めるドラフト1位選手が選ばれるのか、それとも下位指名選手が選ばれるのか、新人王争いに注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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