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毎年ドラフトで先発左腕を獲得するDeNAは正解? 意外なデータが

 


 DeNAの大きな特色は先発左腕をドラフト上位で果敢に指名していることだ。2015年ドラフト2位入団の石田健大、16年ドラフト1位入団の今永昇太、17年ドラフト1位入団の濱口遥大、18年ドラフト1位入団の東克樹、今年ドラフト2位入団の坂本裕哉……直近5年では右腕の上茶谷大河がドラフト1位で入団した19年を除き、4人も大卒の即戦力左腕を上位で指名している。濱口はソフトバンク田中正義ロッテ佐々木千隼をクジで外したため、「外れ外れ1位」だが1年目に2ケタ勝利を挙げるなどプロの世界では田中、佐々木千より活躍している。各選手の年度別成績は以下のとおりだ。

・石田健大
15年 12試合登板、2勝6敗、防御率2.89
16年 25試合登板、9勝4敗、防御率3.12
17年 18試合登板、6勝6敗、防御率3.40
18年 23試合登板、3勝7敗、防御率4.97
19年 40試合登板、4勝1敗、防御率2.14

・今永昇太
16年 22試合登板、8勝9敗、防御率2.93
17年 24試合登板、11勝7敗、防御率2.98
18年 23試合登板、4勝11敗、防御率6.80
19年 25試合登板、13勝7敗、防御率2.91

・濱口遥大
17年 22試合登板、10勝6敗、防御率3.57
18年 19試合登板、4勝5敗、防御率3.90
19年 17試合登板、6勝5敗、防御率3.17

・東克樹
18年 24試合登板、11勝5敗、防御率2.45 ※新人王獲得
19年 7試合登板、4勝2敗、防御率3.76

 石田は2年目に9勝を挙げて、昨年は主に救援で活躍。今永は侍ジャパンでも先発を務めるなど球界屈指の左腕に成長を遂げている。濱口、東もともに新人の年に2ケタ勝利をマークし、東は新人王を獲得した。今永、東は単独で1位指名と球団のスカウティング、ドラフト戦略が光る。まだまだ年齢も若く、これからの伸びしろが期待できることから「左腕王国」を結成する可能性は十分ある。

 一方で気がかりなのは、故障により2年連続活躍した投手がいないことだ。今永は17年に11勝をマークしたが、翌18年はシーズン前に左肩に違和感を覚え、本調子とは程遠い投球で大きく負け越した。濱口も同年の春季キャンプから左肩の違和感が消えず、4勝止まりだった。そして、東も2年目の19年1月に左ヒジの炎症が再発。シーズンは7試合の登板に終わり、今年2月に左ヒジの内側側副靱帯を損傷していることが判明した。同月20日にトミー・ジョン手術を受け、今季中の復帰は絶望的となった。
 
DeNAで規定投球回数をクリアした投手を年度別で見ると、16年は石田と井納翔一、17年は今永と井納、18年は東、19年は今永となっている。1年だけでなく、何年間も続けて活躍することが一流選手の証と言える。好素材の左腕たちが万全のコンディションでシーズンを乗り越えられるかが、チームの命運を握りそうだ。

写真=BBM
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