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セ・リーグ6球団 史上「最低」の助っ人外国人は?

 

読売ジャイアンツ


巨人・ミセリ


 補強失敗は数あれど、2005年に来日したダン・ミセリが最低ではないか。堀内恒夫監督の2年目で、前年の04年はアストロズで74試合に登板していたリリーバーで、ビデオを見て獲得を希望した堀内監督は「懸案だった補強ができた」とクローザー獲得を喜んでいたが……。4月1日の広島との開幕戦、1点リードの9回に登板すると、3失点で敗戦投手、2戦目もサヨナラを許して連続で敗戦投手に。二軍行きを契約を理由に拒否すると、4戦目は0対10からの登板に不満をあらわにし、右肩痛も訴える事態に。それでも二軍降格を拒否したことで話し合いがもたれ、4月19日に球団史上最速で解雇となった。解雇当日には東京ドームに姿を見せた後、妻子と浅草観光に出かけたことでも話題に。

阪神タイガース



 昨季、一軍昇格を拒否して解雇となったヤンガービス・ソラーテ、さらに1999年に当時の野村克也監督への批判文書を報道陣に配布したダリル・メイなど阪神にはお騒がせ助っ人がいるが、その中でも一番は1997年に7試合のみで退団したマイク・グリーンウェルだろう。メジャー通算1000試合以上に出場しシルバースラッガー賞も獲得した大物助っ人。推定ながら3億6000万円の契約で入団した。だが、キャンプ中に左腰をひねり帰国。5月3日の広島戦(甲子園)で一軍出場し2安打2打点の活躍も、5月10日の巨人戦(東京ドーム)で自打球を右足甲に当て骨折。「野球をやめろという神のお告げ」と引退宣言し、同月16日に帰国してしまった。それまでのお騒がせな行動もあり、阪神では最悪の助っ人の一人となっている。

広島東洋カープ



 広島の場合、伝統的にバリバリのメジャー・リーガーを大枚はたいて連れてくる、ということ自体がなく、最初から外国人選手に過度の期待をかけていないので、「期待外れの外国人選手」という存在はあまりいない。メジャーでの実績が通用しなかったという意味では、日系人やアジア系以外では球団最初の外国人選手だった1972年のソイロ・ベルサイエスか。ア・リーグMVPの実績があったが、日本では打率2割に届かず、4本塁打に終わった。2000年代になってからでは、2009年、登板9試合で防御率17.28に終わったスコット・ドーマン、来日前はメジャー79本塁打の実績があったが、日本では1本だけに終わった2011年のチャッド・トレーシーあたりが最大の期待外れか。

中日ドラゴンズ



 昨年11月、プレミア12に出場するため来日したオーストラリア代表監督、デービット・ニルソン監督は「日本に来られてうれしい」と笑顔を見せた。この人こそが2000年に中日でプレーした「ディンゴ」だ。ドジャースに所属した前年に野茂英雄とバッテリーを組んだ捕手。パワフルな打撃が売りでアーチ量産を期待されたが、まさかの鳴かず飛ばず……。18試合に出場して本塁打は1本のみ、打率.180という散々な内容で、8月に退団した。しかし同年のシドニー五輪、4年後のアテネ五輪では日本戦で大活躍を見せるという、実に皮肉な結果が待っていた。

東京ヤクルトスワローズ



 1973年に来日したジョー・ペピトーンがトラブルメーカーだった。メジャー通算219本塁打の大物という触れ込みで入団も、練習はサボりまくった。「ペピトーン・デー」を開催した6月、その日のダブルヘッダー1試合目は出場したものの、2試合目は「マンションの入り口でぶつけた頭が痛い」という無茶苦茶な理由で帰ってしまった。その後、前妻との離婚調停のために帰国。8月には復帰したが、何かと理由をつけて球場に来なくなり、今度は無断で帰国。とうとう日本には戻らなかった。2年契約だったが、ペピトーンは球団に無茶な要求を繰り返し、退団が決定。その後も、飲酒運転や禁止薬物などで問題を起こしていたという。

横浜DeNAベイスターズ


DeNA・クライン


 球団の歴史をさかのぼれば、「ダメ外国人」の名前は、枚挙にいとまがない。印象深かったのが2017年のフィル・クライン。メジャー経験もあり、マイナーでの安定した投球が先発ローテーション候補として獲得に至った。入団会見では、自信に満ちた言葉、身長2メートルの巨漢も手伝い、隣に座る同じ新入団の右腕ウィーランドを圧倒していた。ラミレス監督も「メッセンジャー(当時・阪神)クラスだ」と期待を寄せた。初登板こそ白星を挙げたが、徐々に制球難、メンタルの弱さを露呈して二軍落ち。8月には右ヒジの治療のため帰国。以後、日本に戻ることはなかった。2勝3敗、防御率4.75。同期入団のウィーランドが2ケタ勝ったために、クラインの成績は余計にかすんでしまった。

写真=BBM
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