「打撃で使ってもらうためには2割8分は打たないといけないです」

　力強く話したのは4年目を迎えた鈴木将平だ。オープン戦では打席は少なかったが打率.333（9打数3安打）と好調だった。今も状態は「いい」と話す鈴木。「スイングの形は納得しています」と自主練習で約45分、ひとり黙々とマシンに対峙する姿が印象的だ。

　打席では「強いライナーを打つこと、その打球が外野の間を抜けていく」ことをイメージする。昨年は一軍に昇格してプロ入り初めてのヒット、打点を記録したが今年のテーマはパワーアップ。強い打球を打つために、ウエート・トレーニングにも力を入れている。「しっかり身体を作りたいと思っています。そして背中と腰を使えればいい打球も増えると思う」と180キロのウエートでデッドリフト・トレーニングを重ねている。

　そんな鈴木が心に刻む言葉がある。「きついな、と思ったときに、そこからもう一押しできるかどうか」。尊敬する秋山翔吾（レッズ）がよく口にしていた言葉だ。

「何でこんなに打てるんだろう」。近くで学びたいと思い、2年目の秋季キャンプであこがれの秋山に合同自主トレを志願した。「一緒に練習をさせてくださいと。とても緊張しました」と振り返る。当時から秋山は鈴木の打撃を見てくれたり、「いい感じじゃん」と励ましてくれたりすることもあったという。

　秋山が海を渡っても、その関係性は続いている。現在は開幕に向けて調整が難しい中で、「ロングティーや守備の練習をしていくといいよ」とアドバイスをもらった。「お互い先が見えない中だから、身体づくりをしっかりやったほうがいいよね」という秋山の言葉を胸に刻んで、1日１日を大事に過ごしている。マシン打撃をする際も「時間をムダにせず、人一倍やること」をテーマに一人黙々と白球に相対する。
　
　チームメート時代はキャンプでも一緒に過ごす時間が多く、食事もともにしたという秋山と鈴木。鈴木にとっては初めて秋山が身近にいないプロ生活を送っているが、金言を大事に黙々とバットを振っていく。
　
西武ライオンズ