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異なる球団で最多本塁打のタイトルを獲得した選手は?

 

 2019年オフに、ヤクルトで活躍したウラディミール・バレンティンソフトバンクに移籍した。ヤクルト時代は最多本塁打のタイトルを3回獲得しているだけに、ソフトバンクでも同じように最多本塁打のタイトルを獲得するような活躍が期待される。では、異なる球団で本塁打王になった選手は過去にいるのだろうか?

異なる球団での達成は意外と少ない?



 NPBの過去成績を振り返ると、最多本塁打のタイトル獲得者は、1リーグ時代は16人(のべ20人)、2リーグ制となった1950年以降は75人(のべ150人)いる。最も多く獲得しているのは王貞治で通算15回、外国人選手ではタフィ・ローズの通算4回が最多。王やローズのように最多本塁打のタイトルを複数回獲得した選手は1リーグ時代も含めて36人いるが、このうち「異なる球団で最多本塁打のタイトルを獲得した選手」は以下の6人のみ。

青田昇巨人、洋松ロビンスで獲得)
・落合博満(ロッテ、中日で獲得)
・タフィ・ローズ(近鉄、巨人で獲得)
タイロン・ウッズ(横浜、中日で獲得)
アレックス・ラミレス(ヤクルト、巨人で獲得)
山崎武司(中日、楽天で獲得)

 巨人の青田昇は1リーグ時代の1948年に最多本塁打のタイトルを初めて獲得し、2リーグ制後の1951年には通算2度目の最多本塁打を記録。その後、洋松ロビンス(現在のDeNA)に移籍し、1954年に通算3度目、異なるチームでの最多本塁打のタイトルに輝いた。

 青田以降は30年以上も「異なる球団で最多本塁打のタイトルを獲得した選手」は出なかった。しかし、1990年に中日の落合が最多本塁打のタイトルを獲得。前所属のロッテでも同タイトルを得ていたため、史上2人目の異なる球団で最多本塁打のタイトルを獲得した選手となった。

 2000年以降に「異なる球団で最多本塁打のタイトルを獲得した選手」は、4人中3人が助っ人外国人だ。近鉄ですでにタイトルを獲得してたローズは、巨人に移籍後の2004年にもリーグ最多の45本塁打を放ち、横浜のウッズと並んでタイトルを獲得。異なる球団で本塁打王となった。ウッズも横浜でタイトルを獲得した後に中日に移籍し、2006年に最多本塁打のタイトルを獲得している。

 現在DeNAの監督を務めるラミレスは、ヤクルト在籍時の2003年に40本塁打を放って初めて最多本塁打のタイトルを獲得。2008年から活躍の場を巨人に移し、2010年に49本塁打で再びタイトルに輝いている。山崎武司は中日に在籍していた1996年に本塁打王になっているが、2度目のタイトル獲得はそれから11年後。ベテランとなった山崎は、楽天加入3年目の2007年に再び最多本塁打を獲得。同時に最多打点も記録した。

異なるリーグでの記録達成は?


「異なる球団」で最多本塁打のタイトルを獲得した選手は6人いるが、このうち「異なるリーグでの達成」となると落合、ローズ、山崎の3人しかいない。過去91人の最多本塁打獲得者の中でわずか3人と非常にレアな記録なのだ。

 そもそも最多本塁打のタイトル自体そう簡単には獲得できないものだが、勝手の異なる別チームに移籍して狙うとなれば難易度は格段に跳ね上がる。それゆえに過去6人しかいないレアな記録なのだが、バレンティンは今季この偉大な記録に挑むことになる。果たして史上7人目の「異なる球団で最多本塁打のタイトルを獲得した選手」、史上4人目の「異なるリーグでの最多本塁打」となれるのか、今季の活躍に注目したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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