自主練習期間中のテーマを「ウエートによる上半身と下半身の強化」と話すドラフト2位ルーキーの浜屋将太。5月14日も
平良海馬らとキャッチボール、ウエートなどをこなし、汗をぬぐった。
浜屋自身、ルーキーイヤーの今年は「任せていただいたところで投げたい」と話す一方で先発への飽くなきこだわりものぞかせている。「小さいときから、やっぱり先発がかっこいいと思っていましたから。やっぱり目立ちますからね」と笑う。
マウンドではあまり感情が表情に出ない浜屋。高校時代、そして社会人時代も「お前は感情がないよな(笑)」と言われてきた浜屋だが、あまりにも悔しくて涙をあふれさせた試合があった。
高校3年生の鹿児島大会。樟南高のダブルエースの1人として君臨した浜屋は、準決勝で13回完投、約200球を投げ切りチームを決勝に導いた。翌日の決勝では6回からマウンドに上がり、15回まで10イニングスを投げ切り、引き分け再試合に。そして中1日で迎えた再試合でも先発マウンドに上がった浜屋は5回途中、3対2と1点リードの中、一死満塁のピンチをつくってマウンドを降りた。腰の痛みが原因だった。
「降板してから悔しくて泣きましたね。本当に最後まで投げたかった」
その後、チームが相手打線を封じてチームは優勝。しかし、浜屋は痛めた腰が原因で応援してくれたスタンドへの挨拶もかなわなく、今でも悔しい気持ちが身体の中に残っている。だからこそ、「先発完投型が理想」と内に秘め続けるのだ。
小学校時代あこがれていた同郷の
榎田大樹、
内海哲也、
松坂大輔とは縁あって同じ球団になった。
「榎田さんは小学校時代からのあこがれ。僕が所属していたソフトボールのスポーツ少年団にゲストでノッカーをしてくれたこともありました。内海さん、松坂さんには完投のイメージ。これからいろいろお話を聞きたいです」と目を輝かせた。
トレーニングの成果もあり、この自主練習期間に体重も74キロから76キロに増加。ベンチプレス、スクワットを重点的に行い上半身、下半身を鍛える。当初は社会人時代とのボールの違いに戸惑うこともあったが、キャンプ中に握りを修正した。自信のあるスライダ―は「右打者にもしっかり投げ切りたい」と力強い。
9年前――。社会人を経て入団した
牧田和久(現
楽天)も同じドラフト2位ルーキーでフル回転し、新人王を受賞した。内に秘めるものが強い、“小さな左腕”にも大きな期待を寄せたい。
西武ライオンズ