一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 酒仙投手・野手の外山
社会人出の新人・若松勉、背番号は57だ
今回は『1971年7月12日号』。定価は90円。
前回と同じ号からもう1ネタ。のち
ヤクルトアトムズの中核を担う昭和22年(1947年)生まれ組の話だ。
荒川堯、若松勉、
大矢明彦、
松岡弘、
外山義明、
内田順三、
会田照夫、
中村国昭、
植原修平と、ヤクルトのオールドファンがうれしくなる顔ぶれはそろい、この後だが、
安田猛も加わるツバメのゴールデンエイジだ。
他球団では大洋の
平松政次、
ロッテの
木樽正明、
阪神の
藤田平がいる(
巨人・
堀内恒夫は早生まれで23年組)。
三原脩監督初年度のヤクルトは、この時点で3位だが、2位も狙える位置にあり、その中核に22年組がいる、という記事だった。
このうち二軍にいた植原(もちろん安田も)を除く8人は「花の8人衆」と呼ばれていたらしい。
一番の注目は投手、野手の二刀流で話題の外山だった。なかなかの酒仙で、一晩でウイスキーの角瓶を空けてしまうという。
「酒を飲んだからといって、どうってことはない。グラウンドで働けば文句なしですよ」
と言い、自らを「ひねくれ者」という外山。いかにも三原監督好みだ。
伸び盛りがエース格になった松岡。6月21日現在で8勝を挙げ、三原監督からは「君なら20勝は堅い」と言われているらしい。同じ岡山出身の平松に追いつけ、追い越せと燃えていた。
新人では会田が3勝、荒川は二軍降格もあったが、一本足打法にしてから少しずつ調子を上げていた。
野手陣では捕手の大矢の評判はいい。打率は大したことがないが、リードに10年選手のような安定感があり、強肩も光る。
ほか若松、中村、内田らも打撃好調。若松に関しては、三原監督も
「若松が打席に立つと安心して見ていられる」
と絶賛していた。
6月21日現在、規定打席は大矢のみで.221だが、中村.346、若松.333.内田.306、外山.306らとなっている。外山は投手としては3勝6敗だ。
では、またあした(前回の金曜分、こう書いたままでしたが、土日休ませてもらいました。失礼)
<次回に続く>
写真=BBM