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パ・リーグ6球団 “史上最強”の遊撃手は?

 

千葉ロッテマリーンズ



 走・守だけでは、1997〜2005年に在籍した小坂誠もいるが、“打”も加えた3拍子ならば、西岡剛となるだろう。イチロー以来パ・リーグ史上2人目となるシーズン200安打を達した10年は、打率.346で首位打者に輝き、リーグ3位からの“下克上・日本一”に貢献。11本塁打とパンチ力に加え、22盗塁とスピードもあった。守備の負担が大きなポジションでフル出場を果たしての、打撃成績は圧巻。同年はゴールデン・グラブ、ベストナインにも選ばれ、球界屈指の3拍子そろった遊撃手だった。

埼玉西武ライオンズ



 豊田泰光石毛宏典田辺徳雄中島裕之(現巨人)、そして現在の源田壮亮――。数々の名遊撃手がライオンズ史を彩ってきたが、やはり最強というと現二軍監督の松井稼頭央になるだろう。高卒3年目の1996年から正遊撃手となると、守備では高い身体能力を生かしたダイナミックなプレーを披露。特にその強肩ぶりは史上屈指と言えるものだった。快足を生かして97年から3年連続盗塁王、そして打撃ではスイッチヒッターとして97年から7年連続打率3割をマーク。長打力も徐々につけ、2002年には初の30本台となる36本塁打を放ち、トリプルスリーも記録している。04年からメジャー・リーグに戦いの舞台を移したが、そのまま日本球界でプレーしていたら3000安打も夢ではなかっただろう。

福岡ソフトバンクホークス


南海・木塚忠助


 南海なら木塚忠助、ダイエーなら川崎宗則ソフトバンクなら今宮健太。それぞれの時代を代表する3選手はともに広い守備範囲と強肩を生かした華麗な守備で見る者を魅了した。その中であえて最強を決めるのならば、攻守走3拍子がそろった木塚だろう。「名人木塚の後に木塚なし」と絶賛される守備は、前述した強肩に加えて球界屈指の俊足によってももたらされたものだ。足は攻撃でも大きな武器となり、2年目の49年に59盗塁を記録すると、翌年以降78、55、55盗塁で4年連続盗塁王に。また、打っても49年から3年連続打率3割を超え、51年にはリーグ最多の130安打を放っている。ベストナインは実に7回と、黄金時代を築いた南海には欠かせない1ピースだった。

北海道日本ハムファイターズ



 守備だけなら金子誠も候補に挙がるが、トータル的な力ではやはり「ミスターファイターズ」こと田中幸雄が球団史上最強のショートストップだ。2000安打に加え、通算287本塁打の打撃が売りのイメージが強いが、強肩を生かした守備でも多くのファンを魅了した。1995年には339守備機会連続無失策のパ・リーグ記録も樹立し、5度のゴールデン・グラブ賞にも輝いている。名球会入りも果たした強打のショートストップ。その鮮烈な記憶は、いまも色褪せない。

オリックス・バファローズ


阪急・河野旭輝


 前身の阪急時代から歴代の正遊撃手は守備重視の“職人肌”の色が強い中で、“足”で魅せたのが河野旭輝だ。1954年に阪急に入団すると、1年目から正遊撃手に。3年目の56年には当時の日本記録となる85盗塁をマーク。翌57年にバルボンと“俊足一・二番コンビ”を形成して56盗塁を決めて2年連続でタイトルを獲得している。61年に中日にトレード移籍し、翌62年には3度目の盗塁王に輝き、今なお史上唯一のセ・パ両リーグでの盗塁王を獲得した選手として球史に名を刻んでいる。なお、遊撃守備も堅実かつ華麗な遊撃守備も絶品だった。

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・松井稼頭央


 メジャーで7シーズンにわたってプレーした後に帰国し、11年から楽天に加入した。2013年まで正遊撃手として活躍。すでに選手としてのピークは過ぎていたが、13年はキャプテンとしてチームをけん引。守備でも好プレーを連発し、球団初のリーグ優勝、日本一に貢献した。外野手登録となった2015年にはNPB通算2000安打を達成するなど、スイッチヒッターとして存在感を示した。楽天では17年までプレーした後、18年に古巣である西武へ移籍。同年限りで引退し、現在は西武の二軍監督を務めている。

写真=BBM
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