週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

夏の甲子園中止を受け松坂大輔が「『出来ることは何か……』を考えてほしい」

 


 夏の甲子園大会中止の発表を受け、西武・松坂大輔が球団を通してコメントを発表した。1998年甲子園春夏連覇を果たし、“平成の怪物”と称された松坂。無念の思いを抱く高校球児の心に寄り添い、大人たちが「出来ることは何か」を考えてほしいと訴えた。


西武・松坂大輔コメント

 正直、開幕の3カ月前の決定は早すぎるという思いはありますが、中止という重い決断をされた日本高野連、主催者の方々は、議論を尽くされた上での決定だと思います。決断をもっと遅らせることも出来たのかもしれませんが、「夏の甲子園」と代表校決定の「地方大会」はセットでしょうし、学校自体が再開されていない現状では仕方がない事だと思います。

 センバツに続き、夏の甲子園の開催が無くなった事。もし、自分がその立場に身を置いた事を考えると選手の皆さんに掛ける言葉は正直、見当たりません。本当の苦しさは当事者にしか分からないですから。事実をどう受け止め、次に向かうかという問いに答えも見つかりません。甲子園というものは、それだけ大きな存在です。

 ただ、選手の心に寄り添い、アイデアを出し、実行することは大人に出来ます。「出来ない」ことを決めるだけではなく、「出来ることは何か……」を考える。従来の形の地方大会でなくとも、仲間と積み上げた日々を証明する舞台を用意してもらいたいです。

 今、ラグビー界では高校3年生の選手支援へ、プレー動画をSNSで拡散する「♯ラグビーを止めるな2020」のプロジェクトが話題を呼んでいると聞きます。選手個々や、学校が独自で発信することがルール上難しいのであれば、例えば各都道府県の高野連が許可した上で各学校から送られた動画をのせる。投手ならブルペン投球、野手なら打撃練習、紅白戦の様子でもいいと思います。

 球場を使えず、移動のリスクがあるならば、学校のグラウンドでの取り組みを「インターネット上のグラウンド」で紹介することは出来ないでしょうか。地方大会を見ることも出来ないプロ、大学、社会人の関係者も目にすることが出来るかもしれません。

 これは一つのアイデアであり、本当にちっぽけなことです。願わくば、新型コロナウイルスの感染が終息し、選手たちが1試合でも多くプレー出来ることを祈るだけです。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング