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同じ病の子どもたちを守りたい 阪神・岩田のSTAY HOMEメッセージ

 


 阪神タイガースの岩田稔選手が今週、1型糖尿病の患者・家族支援や研究助成などを行う認定NPO法人「日本IDDMネットワーク」のYouTubeチャンネル等を通じ、“STAY HOME”を呼びかける動画メッセージを配信した。

 新型コロナウイルスに感染した場合、糖尿病患者の重症化リスクが高いことが繰り返し報道されている。岩田選手自身、高校2年生の時に1型糖尿病(生活習慣病ではなく多くが自己免疫によるもの)を発症し、現在もインスリン注射を打ちながら現役選手としてプレーしている。

 チームのある関西エリアではすでに緊急事態宣言は解除されているが、重症化リスクの高い人たちにとって緊張感のある日々はまだ続く。自らも命の危機に晒されている状況の中、特に1型糖尿病患者の子どもたちを慮り、「小さな命を守るためにも不要不急の外出を控え、STAY HOMEを心掛けてください」と呼びかけた。岩田選手も家族やペットとの団欒をインスタグラムに投稿するなど、我が家の“おうち時間”を積極的に配信している。

「糖尿病以外にも、基礎疾患を持っている人はたくさんいます。そういう人たちにとって今の状況は恐怖でしかありません。僕自身もリスクが高く、感染したら野球界に迷惑をかけてしまうのではという思いもあります。そうならないためにも、自分も日頃からしっかりした行動をとらなくてはと思っています」(岩田選手)

 最近では、甲子園球場を整備する阪神園芸とつながりの深い京都市の高橋練染にお願いし、自宅の壁を抗ウイルス仕様に施工するなど生活空間における工夫もしているという。

「安心して生活できる環境を整えたいと思って施工をお願いしました。コロナが蔓延している中、心配事が一つでも減ることがストレスの軽減にも繋がります」

 また、岩田選手は、日本IDDMネットワークが1型糖尿病根治の研究資金を集めるために実施しているクラウドファンディングへの協力の呼びかけも行っている。支援者への返礼品としてサインボールなども提供し、ファンが参加しやすい環境を作ることでこのプロジェクトをサポートする意向だ。

◆子どもたちに“治る”希望を届ける―iPS細胞から膵臓を作る世界注目のプロジェクト―
https://a-port.asahi.com/projects/japaniddmnetwork2020/

「プロ野球選手という立場を活用することで、ファンの皆さんや一般の方々に興味を持ってもらえることもあるかなと。ぜひクラウドファンディングを通じてたくさんの方に協力していただけたら嬉しいです」

 岩田選手のそんな思いに共感し、自宅を施工した高橋練染も「少しでも支援の役に立ててもらいたい」と、抗ウイルス効果が期待される自社製品を提供。こちらにも岩田選手がサインを入れ、クラウドファンディングの返礼品として提供される。

 2016年に出版された著書『やらな、しゃーない!1型糖尿病と不屈の左腕』(KADOKAWA)では、病気を糧にして競技に挑む心境を赤裸々に綴り、多くの1型糖尿病患者やその家族、そして違う病と闘う人々をも勇気づけた。先日の会見では、「僕が発症した頃よりは根治に近づいているけれど、まだまだ僕にできることはある。一歩ずつでも確実にやっていきます」と強く語った岩田選手。今回の取り組みも、新型コロナウイルスに日々不安を抱える人々にとって大きな救いになるに違いない。

文=岡田真理 写真=BBM

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