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一時代を築いた強力だった和製クリーンアップトリオは?

 

 過去には数えきれないほどの強力なクリーンアップトリオが登場したが、その多くが外国人助っ人を交えたもの。しかし、2019年の西武のように、日本人選手だけで構成された強力な「和製クリーンアップ」がリーグを席捲することも少なくない。今回は、一時代を築いた「強力だった和製クリーンアップ」をピックアップして紹介する。

左から巨人・清原、松井、高橋由、清水隆行


●平成の巨人打線を彩った強力和製クリーンアップ

 強力な和製クリーンアップといえば、1990年代後半から2000年代前半にかけての巨人打線を思い浮かべる人が多いだろう。その中でも特に強力だったのは2001年で、松井秀喜清原和博高橋由伸の3人で計92本塁打、310打点と活躍した。さらにこの年は主に六番を打っていた江藤智も30本塁打を記録。チームはリーグ2位に終わったが、打線の破壊力はリーグトップだった。

ダイエー・小久保裕紀


●他チームを圧倒したダイハード打線

 2000年代前半は巨人だけでなくダイエーも強力な和製クリーンアップを形成していた。特に圧巻だったのが2001年で、この年は主に三番を井口資仁が打ち、不動の四番に小久保裕紀、五番は松中信彦が任されていた。この年、井口は30本、小久保は44本、松中は36本の本塁打を打ち、さらに六番の城島健司も31本と、主軸の日本人選手が圧倒的な成績を記録。何点取られても逆転することから、2000年代前半のダイエー打線には「ダイハード打線」という愛称が付けられるほどだった。


●バース来日前の強力クリーンアップ

 阪神のチーム史に残るクリーンアップといえば、1985年のバックスクリーン三連発でも有名なランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布のトリオが有名。しかし、バースがチームに加入する前は、三番・佐野仙好、四番・掛布、五番・岡田の和製クリーンアップトリオがチームの柱だった。特に掛布が最多本塁打、最多打点、最多出塁数を獲得した1982年は、佐野も勝負強い打撃でチームをけん引。岡田も3割を打ち、チームのAクラス入りに貢献した。


●レジェンドが並んだチーム史に残る名クリーンアップ

 広島の「和製クリーンアップ」といえば、1990年代の主砲・江藤智を中心に、野村謙二郎前田智徳金本知憲が並ぶ強力打線が有名。しかし、1970年代後半から1980年代前半にかけての、山本浩二、衣笠祥雄を中心とするクリーンアップも、チーム史に残る強力打線だった。例えば三番・長内孝(加藤英司が座ることも多かった)、四番・山本、五番・衣笠の1983年の打線や、新人の小早川毅彦が三番を任され(小早川は新人王を獲得)、その後ろに山本や衣笠が控える1984年の打線は「あの時代はすごかった」と振り返るファンも多い。

横浜・内川聖一


●チームは最下位ながらも強力打線が輝く

 2008年の横浜打線も、チーム史に残る強力な和製クリーンアップトリオだった。この年は5月に入ってから三番に定着した内川聖一が、日本人選手のセ・リーグ記録を更新する打率.378で首位打者を獲得。同時に最多安打と最高出塁率のタイトルにも輝いた。四番は主砲の村田修一が担い、打率.323、46本塁打、114打点を記録し、最多本塁打のタイトルを獲得している。さらにシーズン後半から五番を任された吉村裕基は、キャリアハイとなる34本塁打と大暴れした。チームは残念ながら最下位に沈んだが、総本塁打はリーグ2番目と打線は非常に強力だった。

「強力だった和製クリーンアップ」をピックアップして紹介した。ほかにもその時代ごとにさまざまな和製クリーンアップが登場したが、皆さんの思い出に残っているのはどの和製クリーンアップだろうか。2019年は西武の日本人クリーンアップが目立ったが、果たして今シーズンは彼らを超える打線は出てくるのか、期待して開幕を待ちたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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