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セ・リーグ6球団 21世紀最強のエースは?

 

読売ジャイアンツ



 単純に勝ち星だけを見れば133勝の内海哲也(現西武)がトップで、83勝の上原浩治もいるが、現在のチームを引っ張る菅野智之を推したい。2013年の入団で、キャリアは7年だが、積み上げてきた勝ち星は87。最多勝2度(17、18年)、最優秀防御率4度(14、16〜18年)、最多奪三振2度(16、18年)を誇り、MVP(14年)を含めて獲得タイトルでは2人を凌駕する。昨季こそ腰痛などで11勝にとどまったが、17、18年は連続で沢村賞を受賞しており、特に投手主要3冠だった18年は選考基準すべてをクリアした。日本代表でもエースとして17年のWBCに出場、準決勝のアメリカ戦で6回1失点(自責点0)6奪三振と好投を見せた。新型コロナウイルスの影響で試合数が大幅に削減される見通しの今季は、目標に掲げた「20勝」は難しくなったが、あらためて強いエースの姿を見せてくれるのではないか。

広島東洋カープ



 カープで21世紀最強のエースを挙げるとすれば、00年代のエース・黒田博樹か、10年代のエース・前田健太(現ツインズ)か、ということになろう。勝利数では、黒田が21世紀だけだと99勝、前田は97勝と、わずかに黒田が上回っているが、「最強の先発投手」ということであれば、安定感で上回る前田を推したい。10年に最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振の3冠で沢村賞、さらに11年にも最多奪三振、12年、13年には2年連続最優秀防御率、15年には2度目の最多勝で2度目の沢村賞も受賞している。NPBでの通算防御率は2.39。前田在籍時のカープは貧打が続いたが、もしも平均的な打力があれば、日本での勝利数も100は軽く超えていただろう。

阪神タイガース



 阪神ファンならほぼ全員が井川慶の名前を挙げるだろう。2003年に20勝5敗、2005年に13勝9敗とエースとして2度のリーグ優勝に貢献した。02年から06年まで5年連続開幕投手を務め、03年には沢村賞も獲得。04年から指揮を執った岡田彰布監督も「これほど監督に安心感を与えてくれる投手はいなかった」と回顧しているほど。開幕投手を務めた5年間で200イニングを4度も超えており、さらに勝率6割超えと、まさに21世紀最強のエースと言っても過言ではない。

中日ドラゴンズ



 1998年に明大からドラフト1位で入団。すぐさま先発ローテーションに入り、26試合に投げて14勝6敗の防御率2.57で新人王に輝いた。2年目からはプロの壁にぶつかったものの、2004年と06年はともに17勝で最多勝のタイトルを獲得。竜のエースとしてチームを優勝に導いた。真っ向勝負の闘志あふれるピッチング、キレのあるストレートに抜群のコントロールを誇ったが、川上の武器と言えばカットボール。左打者を封じるために02年に覚えたものだが、打者の手元で微妙に曲がる威力抜群の魔球だった。21世紀最初のノーヒットノーラン達成者でもある(対巨人、02年8月1日)。

東京ヤクルトスワローズ



 21世紀最強なら、2002年入団で今もなお現役の石川雅規で異論はないだろう。身長167センチで直球も130キロ台ではあるが、抜群の制球力で「小さな大投手」の異名を取る。ルーキーイヤーから先発ローテーションを守り、昨季まで毎年20試合以上に登板と、チームへの貢献度も群を抜いている。通算171勝は、現役投手では最多だ。高津臣吾監督からの信頼も厚く、今年の開幕投手に内定している。これからも投手陣の中心として腕を振り、通算200勝も叶えるつもりだ。

横浜DeNAベイスターズ


横浜・三浦大輔


 2001年以降、球団最多の112勝を挙げている三浦大輔がふさわしいだろう。02年オフに右ヒジを手術し、勝ち星が伸びない時期もあったが、05年に自己最多タイ12勝を挙げて復活。同年は最高防御率、奪三振王のタイトルを獲得した。08年オフにFA宣言し、阪神移籍に心が動くも「やめないで!」のファン感謝デーでのファンの悲痛な叫びに残留を決意。その後は、「横浜で優勝したい」の一念で右腕を振り続けた。25年間の現役生活でホエールズ、ベイスターズ一筋。「ハマの番長」と愛された背番号「18」は、今季より二軍監督を務めている。

写真=BBM
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