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巨人・沼田翔平、「力でもぎ取った」支配下登録

 

5月31日、支配下登録され原辰徳監督とグータッチする巨人沼田翔平


 東京ドームで紅白戦2試合を行った5月31日、巨人は育成選手の沼田翔平(19歳)と支配下選手契約を結んだことを発表した。高卒2年目までの育成投手が支配下登録されるのは、球団史上初めてのことだが、会見に同席した原辰徳監督の言葉に期待の高さがうかがえる。

「力でもぎ取ったと思いますよ。育成選手から2年目で支配下に上がるというのは並大抵なことではありません。今後10年、15年戦ってくれるのではないかと、大きな期待を持っています。投球スタイルとしてはまず、形が真っすぐを投げるにしても、変化球を投げるにしても、常に一緒であると。その中でコントロール、勝負度胸、そういったものは非常に二年生とは思えないものがありますね。(他の支配下選手と比較しても)一番安定感があったと思います」

 背番号「016」で挑んだ今春のオープン戦では、6試合に登板して防御率1.42とアピールに成功。ただし、この時点では支配下昇格は見送られていた。その後、新型コロナウイルス感染拡大の影響でペナントレース開幕は延期となり、チームとしての活動も一時中断。個人調整期間として練習は選手個々の判断に任されたが、原監督をはじめとする首脳陣はこの期間の沼田の取り組みを見逃さなかった。

「非常に若いですし、まだちょっと早いかなというのもね、3月のオープン戦が終わった頃には思ったんですけれども。コンディション、それと向き合う姿勢というものを、個人調整期間の中で見ていると、もう、今回は支配下選手で練習試合も含めて戦わせようと、そういう決断になりました」

 北海道の旭川大高から昨季、育成ドラフト3位で入団した沼田は、最速146キロの直球が魅力の右腕。オープン戦では一軍の主力選手をバックに堂々としたマウンドさばきを見せた。昨季はイースタン・リーグで先発も経験しているが、今春、一軍では主に中継ぎで登板を重ねており、原監督も「(役割は)セットアップですね」と期待する。

 この日、背番号「92」の新たなユニフォーム姿を披露した沼田は「育成入団で這い上がる気持ちでやってきました。背番号は変わっても初心を忘れず、常に高いところを目指してやっていきたい」ときっぱり。6月2日からの練習試合でアピールを続け、19日の開幕一軍入りを目指す。

文=坂本匠 写真=小山真司
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