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セ・リーグ6球団 “史上最強”の二塁手は?

 

読売ジャイアンツ



 現在は長く二塁手を固定できずに苦しんでいるが、1980年代には篠塚和典(92年途中までは登録名は利夫)がいた。大胆なポジショニングでチームを幾度となく救った守備でファンを魅了、ゴールデン・グラブ賞を4度(81、82、84、86年)も受賞している名手である。ただ、篠塚といえば生涯打率.304を誇る天才的な打撃だろう。81年から5年連続の打率3割以上、合計7度の打率3割以上で2度の首位打者(84年=.334、87年=.333は広島正田耕三と同率)にも輝いている。2ケタ本塁打こそキャリア2度で、通算は92本塁打だが、84年にはリーグ最多の35二塁打を放っており、広角に野手の間を抜く芸術的な打撃は同業者の仲にもファンが多かった。

広島東洋カープ


広島・菊池涼介


 攻撃を含めた総合力では、2年連続首位打者に盗塁王も1回獲得、ベストナイン2回、ゴールデン・グラブ賞5回の正田耕三も捨てがたいが、「史上最強の二塁手」の名に、よりふさわしいのは現役の菊池涼介だろう。2014年に二塁手では歴代最高の535補殺を記録した守備は現役にしてすでにレジェンド。独特の感性に基づく広い守備範囲と、どんな体勢で捕っても瞬時に体に軸を作って強い送球を投げられる技術は他の追隨を許さない(ゴールデン・グラブ賞7回)。打撃でも、定位置獲得後はほとんどの年でリーグ最多の犠打や、ランエンドヒットへの対応など、二番打者としての技術はこれまた一級品。今後もそう簡単に上回る選手は出てこないだろう。

阪神タイガース



 1960年代で黄金の内野手の一人として活躍した鎌田実、2003年のリーグ優勝に大きく貢献した「一番・二塁」の今岡誠や、低迷期に活躍した和田豊など名二塁手が多くいる阪神。その中で、最強と言えばやはり「五番」として活躍した岡田彰布だろう。ベストナインに1回選ばれ、85年には打率.342で首位打者のバースに次ぐ2位に入るなど、打てる二塁手として活躍した。守備でも優勝した85年にダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデン・グラブ賞)を獲得するなど定評があった。オールスターにも8度出場するなど人気も高かった。

中日ドラゴンズ



 入団当初は内野のユーティリティプレーヤーだったが、セカンドのレギュラーだった半田春男が退団すると、その穴を埋めるべく二塁に定着した高木守道。あこがれの長島茂雄(巨人)の守備には華があったが、自分には到底マネできない。であれば逆にどんなに難しいボールでも簡単に捕ることを心掛けて守ったという。半田に教わったというバックトスでファンを何度もうならせたが、高木自身は「プロなら普通のプレー」と平然としていた。守備範囲も広く、ファインプレーをしても決して喜ばなかった職人肌。中日だけでなく、歴代の二塁手としてもNo.1の声は高い。

東京ヤクルトスワローズ



 2015、16、18年の3度、トリプルスリーを達成した山田哲人で異論はないだろう。15年は本塁打王と盗塁王のダブル受賞で、14年ぶりリーグ優勝の原動力となった。同ポジションには広島の菊池涼介がいるものの、侍ジャパンの常連でもあり、チームだけでなく日本を代表する二塁手と言える。若松勉池山隆寛青木宣親らが背負ってきた背番号「1」はミスタースワローズの証し。今年はFA権取得の可能性も高いが、もちろん燕党はこの男の残留を心から願っている。

横浜DeNAベイスターズ


横浜・ローズ


 最近では2018、19年の本塁打王であるソトの名前が思い浮かぶが、二塁専任ではなく守備は頼りない。となれば、首位打者1回(1999年)、打点王2回(93、99年)、最多安打2回(99年、00年)などいくつもの打撃タイトルを獲得し、ゴールデン・グラブ賞(98年)にも選出されているロバート・ローズがふさわしいだろう。来日時から守備力の高さが評価されており、遊撃と並んで負担の大きい内野のポジションを守りながら打撃でも数字を残した、偉大な二塁手だった。

写真=BBM
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