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オリックス・田嶋大樹の成長で、なるか先発“3本柱”形成

 

開幕先発ローテだけでなく山岡泰輔山本由伸ともに“3本柱”の形成が期待される田嶋大樹


 異例のシーズンも“追い風”となり得る。6月1日に開幕から約1カ月の日程が発表され、パ・リーグは開幕2カード目の6月23日以降は同一カード6連戦。通常の3連戦では、先発ローテの“表“と”裏“の兼ね合いもあったが、今季は開幕から当面、先発ローテの総合力での勝負に。昨年11月のプレミア12日本代表に選出された山岡泰輔、山本由伸の柱がいるオリックスは、2018年ドラ1左腕の田嶋大樹が台頭で、3本柱を形成できれば“投手力”で優位に立つ可能性も十分にある。

 山岡=25歳、山本=21歳、田嶋=23歳という若さも魅力だ。来季以降を考えても3本柱の形成はチーム力に直結するのは間違いない。実績ある山岡、山本に不安はない中で、カギを握るのが田嶋だろう。新人年の18年は6月までに6勝を挙げるも、以降は左ヒジ痛で登板なし。昨季6月に約1カ月ぶりの勝利を飾ってから連勝も、8月に一軍登録抹消されて3勝4敗に終わっている。

 独特の腕の振りから投じる最速153キロの直球は、強打者たちが振り遅れるなど球速表示以上の威力があり、キレのあるスライダーも持ち合わせるなど、投じるボールが期待を高めている。そんな秘めるポテンシャルを開化させるのは、何も技術ばかりではない。“過密”となる日程の中で先発ローテとして1つの武器となるのが、プロ入りから苦悩が続いて強くなった“メンタル”だ。

 昨季、約1年ぶりの一軍勝利を挙げたあと「もう一度、一軍で投げたかった。見ているだけでは悔しかったし『俺もこのくらいできる』と思っていましたから」と話していた背番号29は、故障離脱中に、あることに気が付いたという。

「2番手、3番手の人の気持ちが、本当の意味で分かったんです。僕は小学生で野球を始めから、アマチュア時代はずっと、1番手として試合で投げてきた。でも、いまは山岡さんがいて、(山本)由伸がいる。さらに荒西(祐大)さんやK(−鈴木)さん……。ずっと後に僕がいるんです。もちろん悔しさがある。だから、もっと良くなりたい、勝ちたい、と純粋に思えるんです」

 復活勝利を挙げた昨年6月5日の登板では、ピンチを迎えても「一軍で投げているんだ。もう楽しむしかないっしょ」とマウンドでつぶやき、前を向き続けた。今季もキャンプでの紅白戦から先発登板を繰り返す中で、ノーワインドやセットポジションなどフォームの試行錯誤を続けたのも「ダメなときはいろいろと試して、前進できるように」の思いから。プロ入りから成績面では苦しんだとはいえ、精神面では成長の一途をたどり、苦境に立たされても、跳ね返す力を蓄えてきた。

 勝負のプロ3年目──。背番号29が安定して先発ローテを守り、そして白星を挙げることができれば、今季の“過密日程”を追い風に変えられる。田嶋大樹がオリックス投手陣のカギを握っている。

写真=BBM

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週刊ベースボール編集部

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