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週べ60周年記念

セは投高打低、パは打高投低だった1971年/週べ回顧

 

 一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

史上初の両リーグ首位打者にひた走る江藤慎一


江夏、堀内、平松



 今回は『1971年8月30日号』。定価は90円。

 前回と同じ号から。
 8月5日には通算300号本塁打もマークしていたロッテ江藤慎一が、8月11日の南海戦(東京)で、シーズン23号の満塁ホームランを放った。
 中日の看板選手ながら水原茂監督ともめ、69年オフ、移籍拒否騒動から一度は任意引退となった男だ。

 前年の70年途中復帰し、社会人時代からの恩師・濃人渉監督のいたロッテに移籍(71年途中二軍監督に降格)。71年は榎本喜八から一塁の定位置を奪い取り、首位打者戦線でもトップを走っていた。
 ちなみに満塁弾は中日時代が8本ながら、この年はすでに3本で通算11本となる。
「ワシは満塁のときが一番気が楽なんだ。思い切ったバッティングができるからな」
 と江藤。史上初の両リーグ首位打者も見えてきたが、
「結局はアルトマンとの争いになるだろう。いまはアルトマンの打数が足りなくなったが、そのうち足りるだろう。ただ、その前にチームがトップに立つことだ」
 規定打席を割ったアルトマンが3割6分前後、江藤が3割5分前後の争いだった。ロッテは現在、阪急を追う2位である。
 ただ、江藤は足の故障に苦しみ、全力疾走ができない。
「ワシは全力でプレーできないと面白くないんだ」
 とも言っている。

 一方セでは巨人長嶋茂雄が史上初6度目の首位打者にひた走る、16日現在で.324だが、こちらは2位が衣笠祥雄広島)で.299、つまり唯一の3割打者だった。

 実は、この年、セは投高打低、パは打高投低となっており、最終的データになるが、セの防御率が2.85、パが3.78。ホームランはセが616本、パが911本だった。

 セでは阪神江夏豊、巨人・堀内恒夫、大洋・平松政次が脚光を浴びていた時代だが、特に平松が25回3分の1無失点もあって、12勝11敗、防御率2.00と好調をキープしていた。
 ただ1点台の投手はほかにおり、同じチーム内の小谷正勝も1.89でリーグ3位だった。小谷はリリーフ投手で、規定に達するイニングを投げ、防御率は1点台とあって、巨人・川上哲治監督は「今年、一番頑張っている投手。うちにもあんな投手がいたらな」と話していた。

 では、またあした。

<次回に続く>
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