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セ・リーグ6球団 21世紀最強のリリーフは?

 

読売ジャイアンツ



 2006年に球団史上初の育成選手として入団し、中継ぎを本職にスターダムを駆け上がった山口鉄也を推す。加入2年目の07年に支配下昇格を勝ち取ると、翌08年は67試合登板で11勝23ホールド2セーブの大活躍。新人王を受賞した。以降は先発転向プランもあったが、適性は中継ぎにあり、08年から9年連続の60試合以上登板の鉄腕ぶり。14年の通算200ホールド、15年の250ホールド到達はいずれもNPB史上初で、日本ハム宮西尚生に抜かれるまで、通算273ホールドはNPB記録だった。高校卒業後、海を渡って3シーズンのマイナー暮らし(ダイヤモンドバックス・ルーキー級)、テストの末の育成入団と、まさに這い上がった野球人生だが、その経験を今季から巨人三軍投手コーチとして若手選手たちに伝えている。

中日ドラゴンズ



 21世紀どころか、20世紀を含めても史上最強のリリーフだろう。しかも全球団を通じてと言っていい。通算407セーブは1002試合登板を含めて日本記録。愛知大からNTT東海に進み、1999年に中日入団。キレ味鋭いスライダーを武器にプロ5年間は中継ぎで活躍したが、2004年に就任した落合博満監督から抑えに指名された。当時の岩瀬は、すでに29歳だった。入団1年目から抑えだったら500セーブにも届いていたという声も少なくないが、岩瀬自身は「中継ぎでの経験があったからこそ、ここまでできた」と謙虚に答えている。

阪神タイガース



 2007、11年のセーブ王で、現在NPB通算241セーブを記録しているまさしく21世紀を代表するクローザーだ。05年にリリーフとして80試合に登板し53ホールドで最優秀中継ぎを獲得。このときジェフ・ウイリアムスと久保田智之と勝ちパターンのリリーフ陣「JFK」を組みリーグ優勝に大きく貢献。07年途中からリリーバーとなった。「火の玉ストレート」と呼ばれる伸びのあるの真っすぐを主体に、真っ向勝負で打者をねじ伏せる。昨季も途中からクローザーとしてチームのAクラス入りに貢献。今季は40歳を迎えたが、まだまだ衰え知らず。絶対的クローザーとしてチームをけん引していく。

広島東洋カープ



 4年連続を含む5度のシーズン25セーブ以上を記録、球団最多の165セーブをマークした永川勝浩が、カープの21世紀では最強のリリーフ投手だろう。ノーラン・ライアン(元エンゼルスほか)を参考にした、左足を大きく振り上げた独特のフォームからのストレートとフォークを武器に、守護神として活躍した。中でも、38セーブを挙げた2008年の内容は素晴らしく、56試合に登板して、敗戦はわずかに1敗。セーブシチュエーションでの救援失敗はわずかに年間通して2度だけだった。永川以外では、2016〜18年の3連覇時にいずれも胴上げ投手となった中崎翔太が通算115セーブ。今後の頑張り次第では「チーム21世紀最強」にも手が届く位置にいる。

東京ヤクルトスワローズ



 松岡健一林昌勇秋吉亮、バーネットなど、印象深い21世紀のリリーバーは多くいる。しかし、もっともファンの心に残っているのは、“ロケットボーイズ”の2人ではないか。右腕・五十嵐亮太と、左腕・石井弘寿の速球派リリーフコンビだ。五十嵐は最速158キロ、石井は155キロを誇った。この2人から、球団最多286セーブのクローザー・高津臣吾へつなぐのが勝利の方程式だった。ロケットボーイズ全盛期の2000年代前半は、チームもAクラス常連。五十嵐は今もなお現役で、メジャー、ソフトバンクを経て昨年ヤクルトに復帰し、第一線で投げ続けている。石井は投手コーチ、高津は今季より監督と、立場を変えた3人が、新たな“勝利の方程式”を形成できるかにも要注目だ。

横浜DeNAベイスターズ



 大魔神・佐々木主浩は2000年よりメジャーに活躍の場を移しており、当てはまらない。160キロを超える速球で2007年に31セーブのクルーンや、10、11年と2年連続で30セーブ以上をマークした山口俊(現ブルージェイズ)も優れたリリーフだったが、やはり2年連続(18、19年)で最多セーブのタイトルを獲得中の山崎康晃がふさわしいだろう。ルーキーイヤーの15年にクローザーに抜てきされると、新人シーズン記録となる37セーブを挙げ、新人王に輝いた。昨季は史上最年少で150セーブに到達。東京五輪の侍ジャパン候補であり、昨秋のプレミア12では胴上げ投手になっている。

写真=BBM
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