2ケタ勝利は先発投手が目指す大きな目標の一つだが、10勝以上を記録するのはそう簡単ではない。たとえチームを支えるエースでも、何年も連続して2ケタ勝利を挙げるのは難しいのだ。では、現在連続して2ケタ勝利を続けている投手は何人いるのだろうか?
2ケタ勝利を続けている選手は5人しかいない!
2019年シーズン終了時点で2ケタ勝利を2年以上続けている投手を調べたところ、以下のようになった。
●
千賀滉大(
ソフトバンク)4年連続
2016年 25試合 12勝3敗
2017年 22試合 13勝4敗
2018年 22試合 13勝7敗
2019年 26試合 13勝8敗
●菅野智之(巨人)3年連続
2017年 25試合 17勝5敗
2018年 28試合 15勝8敗
2019年 22試合 11勝6敗
●
大瀬良大地(
広島)3年連続
2017年 24試合 10勝2敗
2018年 27試合 15勝7敗
2019年 26試合 11勝9敗
●
クリス・ジョンソン(広島)2年連続
2018年 24試合 11勝5敗
2019年 27試合 11勝8敗
●
西勇輝(
阪神)2年連続
2018年 25試合 10勝13敗
2019年 26試合 10勝8敗
現在連続2ケタ勝利を継続中の選手はわずかに5人しかいない。最長はソフトバンク・千賀で、2016年から4年連続でケタ桁勝利を継続中。次に長いのが巨人の菅野と広島の大瀬良で、3年連続で2ケタ勝利を記録している。大瀬良と同じく広島のクリス・ジョンソンは2年連続。
オリックス時代に10勝を挙げ、その年のオフに阪神にFA移籍した西も2年連続で2ケタ勝利を挙げている。
菅野は入団1年目の2013年から3年連続で2ケタ勝利を記録するも、2016年は9勝で記録がストップ。もしこの年10勝に到達していれば、入団から7年連続での2ケタ勝利だった。
また、2019年シーズンに1ケタ勝利に終わり、連続2ケタ記録が途絶えた選手としては、楽天の則本昂大が挙げられる。則本はプロ1年目の2013年から2018年まで6年連続で2ケタを継続していたが、2019年は右ヒジ手術の影響で5勝。残念ながら出直しとなってしまった。
ちなみにNPB記録は、通算350勝を挙げた
米田哲也の「19年連続」が最長。現在4年連続の千賀が米田に並ぶには、あと15年2ケタ勝利を記録し続ければならない。そう考えると米田の記録は途方もないものだといえる。
今シーズンは新型コロナの影響で試合数120試合と、従来のシーズンよりも23試合も少なくなる予定。先発投手の先発機会が減ることが予想され、そうなると2ケタ勝利も難しくなるだろう。千賀や菅野など2ケタ勝利継続中の投手は果たして記録を伸ばすことができるのか。その活躍に期待したい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM