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坂本勇人と松井稼頭央 「最強のショート」はどっち?

 


 各ポジション別の「歴代ベストナイン」で票が割れるのが遊撃手だ。華麗な守備でベストナインを9度獲得した阪神吉田義男、遊撃で最多となるゴールデン・グラブ賞(当時はダイヤモンドグラブ賞)を8度受賞した大洋・山下大輔、遊撃手でトリプルスリーを達成した広島野村謙二郎、守備はNo.1の呼び声高いヤクルト宮本慎也、攻守でハイレベルな活躍を続けた横浜・石井琢朗荒木雅博と鉄壁の二遊間で通算守備率.991と驚異的な数字を残した中日井端弘和、遊撃手で歴代最多の1939試合連続出場を達成した阪神・鳥谷敬……並外れた守備範囲のロッテ小坂誠も強烈に印象に残っている野球ファンが多いだろう。

 その中で「最強のショート」として評価が高いのが西武楽天、メジャーで活躍した松井稼頭央(現西武二軍監督)と巨人・坂本勇人だ。両選手の成績をあらためて振り返ってみよう。

スイッチ初のトリプルスリー


西武・松井稼頭央


・松井稼頭央(西武、メッツ、ロッキーズ、アストロズ、楽天) 
※NPB通算1913試合出場 打率.291、201本塁打、837打点、363盗塁
※MLB通算630試合出場 打率.267、32本塁打、211打点、102盗塁

 並外れた身体能力で攻守走3拍子そろった遊撃手として活躍。日米通算2705安打を積み上げた。1年目で左打ちに挑みスイッチヒッターとなり、盗塁王3度、最多安打2度獲得。2002年には打率.332、36本塁打、33盗塁でスイッチヒッターとして史上初のトリプルスリーを達成した。メジャーでもメッツ1年目の開幕戦で史上初の「新人の開幕戦初打席初球本塁打」の衝撃デビュー。07年にはロッキーズでワールド・シリーズにも出場した。楽天でも13年に主将として球団初の日本一に貢献した。

 だが野球ファンの間で特に活躍が印象に残っているのが西武時代だろう。96〜03年まで8年連続全試合出場し、97年から7年連続打率3割をマーク。97〜99年に3年連続盗塁王を獲得し、02年から2年連続30本塁打と進化した。トレードマークの金髪をなびかせた華麗なプレー姿に魅了される野球少年は多かった。

昨季は自己最多の40本塁打


・坂本勇人(巨人)
※NPB通算1670試合出場 打率.293、223本塁打、800打点、152盗塁

 2006年の高校生ドラフトで堂上直倫(現中日)の外れ1位で指名され、巨人に入団。プロ2年目の08年からレギュラーに定着し、積み上げた通算安打数は1884安打。名球会入りの2000安打は通過点で、張本勲氏が持つNPB記録の3085安打を超える可能性も十分に秘めている。身体能力の高さでは松井稼頭央に劣るが、常勝を義務付けられている巨人で、守備の負担がかかる遊撃のレギュラーを張り続けていることに大きな価値がある。

 打撃では後ろ足に重心を残してボールを叩く打法に変更した16年に打率.344で首位打者を獲得。昨年は自己最多の40本塁打をマークした。巨人生え抜きの右打者では長嶋茂雄(現巨人終身名誉監督)の39本を抜く最多記録で5年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献。年々すごみを増している。

 松井も坂本も球史に残る名ショートである事は間違いない。現役でプレーする坂本が今後どのような成績を残すかで評価がさらに上がる可能性を秘めている。

写真=BBM
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