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浅村、岸、涌井、牧田……楽天の命運を握るのは「元西武組」

 

 今月19日に開幕するプロ野球。各球団で新戦力の活躍が注目されるが、その中でも大型補強でチームが進化する可能性が高いのが楽天だ。ロッテの主力だった鈴木大地をFAで獲得。金銭トレードで涌井秀章、FA移籍した美馬学の人的補償で酒居知史もロッテから加入した。さらに、メジャーから3年ぶりに日本球界復帰した牧田和久オリックスで主軸を担ったステファン・ロメロ、守護神候補のジョン・トーマスシャギワも補強。因縁の対決として盛り上がりそうなのが西武戦だ。「元西武」の涌井、牧田、岸孝之浅村栄斗が在籍。最初に楽天に所属し、DeNA、西武へのトレード移籍を経て復帰した渡辺直人もいる。楽天の命運を握る5選手のこれまでの活躍ぶりを振り返ってみよう。

楽天・涌井秀章


・涌井秀章(西武、ロッテ、楽天)
※通算成績 417試合登板、133勝128敗37セーブ16ホールド、防御率3.51

 西武で最多勝2度、2009年には沢村賞を獲得するなど球界を代表するエースとして活躍。13年オフにロッテにFA移籍し、15年に15勝を挙げて3度目の最多勝を獲得した。昨年は若手の台頭もあり18試合登板で3勝止まり。オフに金銭トレードで楽天に移籍が決まった。33歳とまだまだ老け込む年でなく、スタミナ抜群で完投能力が高い。先発ローテーションで1年間回れば、最多勝争いを演じる力は十分にある。

楽天・牧田和久


・牧田和久(西武、パドレス、楽天)
※NPB通算成績 276試合登板、53勝49敗25セーブ54ホールド、防御率2.83
※MLB通算成績 27試合登板、0勝1敗2ホールド、防御率5.40

 アンダースローから早いテンポで投げ込む投球スタイル。フォームに強弱をつけたり同じ球種でも変化量を変えたりするなど高度な技術で打者を幻惑する。西武では先発、中継ぎ、抑えとあらゆる場面で起用されたことから「困ったときの牧田」と重宝された。17年オフにポスティング・システムでMLBパドレスに移籍。メジャーでは思うような成績が残せなかったが、3年ぶりの日本球界復帰で救援陣の支柱として球団の期待は大きい。

楽天・岸孝之


・岸孝之(西武、楽天)
※通算成績 290試合登板、125勝84敗1セーブ、防御率3.02

 涌井と同様に西武のエース格として先発ローテーションで活躍。10年の在籍で7度の2ケタ勝利と抜群の安定感だった。仙台出身の右腕は16年オフに地元球団の楽天にFA移籍。18年に11勝4敗、防御率2.72で最優秀防御率を獲得した。昨年は開幕投手を務めたが左太もも違和感で緊急降板して離脱。7月も扁桃炎で離脱して自己ワーストの3勝と不本意なシーズンだった。今年は則本昂大とともに先発の軸として稼働する。
 

楽天・浅村栄斗


・浅村栄斗(西武、楽天)
※通算成績 1256試合出場、打率.285、180本塁打、737打点、69盗塁

 侍ジャパンでも主軸を担う右の強打者。23歳シーズンの2013年に110打点を叩き出し、平成生まれで初の打点王に輝くと、主将を務めた18年には球団新記録の127打点で2度目のタイトル獲得。日本人選手で球団初の打率3割、30本塁打、100打点を達成し、10年ぶりのリーグ優勝に貢献した。同年オフに楽天にFA移籍。昨年は球団で唯一の全試合出場し、自己最多の33本塁打をマークした。今年もチームを引っ張る。

楽天・渡辺直人


・渡辺直人(楽天、DeNA、西武、楽天)
※通算成績 1134試合出場、打率.259、7本塁打、229打点、115盗塁

 楽天に入団後主力として活躍したが、10年オフに横浜(現DeNA)に金銭トレードで移籍。人望が厚かった渡辺の移籍にチームメートは涙を流し、「出すべきじゃなかった」という声が出るなど大きな波紋を呼んだ。13年途中に西武にトレード移籍すると、小技と勝負強い打撃を武器に貢献。17年オフに退団し、8年ぶりに楽天に復帰した。昨オフ、現役選手で球団史上初のコーチ兼任(一軍打撃コーチ)に。「松坂世代」最後の野手として今年も精神的支柱だ。

写真=BBM
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