読売ジャイアンツ
坂本勇人、
丸佳浩、
岡本和真の“クリーンアップ”トリオにベテランの
亀井善行、エース・
菅野智之らは、活躍して当たり前の位置付け。新戦力から野手ではG.
パーラ、投手ではA.
サンチェスが機能すれば、連覇はグッと近くなる。ここで優勝へのキーマンを1人挙げるとすれば、昨季は「一番・セカンド」で開幕しながら、11試合出場を最後に腰痛で離脱した吉川尚輝ではないか。この結果、チームはセカンドを固定できず、一番も37歳(当時)の亀井に頼らざるを得なかった。坂本を二番に置く超攻撃的な打順も、本来は吉川尚が出塁してかき回し、亀井が下位に回ってにらみをきかせることで完成系となる。吉川尚が本調子であれば、昨季以上の得点力が期待でき、センターラインの守備も強固になるだろう。
横浜DeNAベイスターズ
新大砲・
オースティンの加入もあり、打線は活発。攻撃陣はリーグでも見劣りしない。リリーフも中継ぎ、抑えとある程度計算が立つ。やはり22年ぶりの優勝のカギを握るのは、先発投手となりそうだ。エース・
今永昇太と並んで、濱口遥大がシーズンを通して先発ローテを担い、ルーキーイヤー以来となる2ケタ勝利を挙げることができれば、チームは優勝争いに加わっていくだろう。開幕直前に右の柱として期待されていた
上茶谷大河が右ヒジ炎症で開幕に間に合わない。それだけに、実績のある濱口に寄せられる期待は大きい。今永と両輪となり、チームの推進力となっていきたい。
阪神タイガース
メジャーのオールスター・ゲーム、ホームラン競争に出場した経験を持ち、メジャー通算92本塁打の実績があるボーアが今季から阪神の四番を打つ。6月2日から再開した練習試合で3試合連続のホームランを放つなど、調子が上向きになりつつある。しかし、左投手に対し16打数無安打の状況が続いていた。また、各チームからシフトを敷かれており、強烈な打球も、守備に阻まれダブルプレーになるケースも増えている。強力な投手陣を前面に押し出し15年ぶりの優勝を狙う阪神。その中で四番がしっかり機能すれば、試合を有利に運ぶことができる。大きな責任を背負うボーアが、それを払しょくできれば開幕から猛虎の快進撃が見られるはずだ。
広島東洋カープ
「優勝へのキーマン」というより、「優勝のためには、この男が突出した成績を残すことが前提」という存在が、鈴木誠也だ。4年連続で25本塁打以上をマークしている長打力はさらにスゴ味を増し、同時に、状況次第では逆方向にしぶとくミートするような打撃も見せる対応力の高さも突出している。
朝山東洋打撃コーチからは、「三冠王を目標にするぐらいの気持ちでやってほしい」との声も上がるほどの充実ぶりだ。本人は個人タイトルには執着はなく、常にチームの勝利が最優先というスタンスだが、カープが目標のV奪回、さらには日本一を目指すためには、この
鈴木誠が打撃三冠でいずれもトップを争うぐらいの数字を残すことが必須、ということは確かだ。
中日ドラゴンズ
昨年からキャプテンを務め、チームを牽引するプロ9年目の26歳。シュアな打撃に磨きがかかり、強竜打線に欠かせない存在として強い輝きを放っている。昨年は三塁のポジションをつかみ、5月に月間8度の猛打賞を記録。6月には自身初の四番打者も務めた。好調をキープして首位打者争いも演じたが、7月の阪神戦で帰塁の際に右手小指を負傷して無念の戦線離脱。するとチームも勢いを失い、あらためて高橋の存在の大きさを感じさせた。中日が7年連続のBクラスを脱出し、優勝争いに加わるには高橋の活躍は欠かせない。まだ経験のない全試合出場がノルマだ。
東京ヤクルトスワローズ
ヤクルトが優勝、上位を狙うには、課題の投手力を改善することが絶対条件となる。これには先発陣の充実が欠かせない。毎年20試合に登板し、投球術、ゲームメーク能力に長けた
石川雅規は、今季もある程度計算できる。となれば、昨季わずか5勝に終わった小川泰弘の奮起に期待したい。それでも、昨季はチームで唯一規定投球回数に到達するなど、1年間を通して先発ローテーションを守り切る力は備わっている。練習試合の期間は、コースの出し入れなど、変化球の精度向上に努めていた。石川、小川に加え、
高橋奎二や新外国人の
イノーア、
原樹理や
星知弥らで盤石の先発ローテーションを組むことができれば、上位も見えてくるはずだ。
写真=BBM