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2005年以降、1年を通して四番の座を守り続けた選手は何人いる?

 

 チームの要である四番打者は、大きなプレッシャーの掛かるポジションだ。四番の重圧に耐え、1年を通してその座にとどまり続けるのは並大抵のことではない。では、1年を通して四番の座を守り続けた選手は、現在のチーム体制となった2005年以降何人いるのだろうか?

ラミレスと金本の活躍が目立つセ・リーグ



 2005年以降に公式戦開幕から最終試合まで「1年を通して四番の座を守り続けた選手」を調べ、チームごとにまとめた。まずはセ・リーグから。

●巨人
2009年 アレックス・ラミレス
2010年 アレックス・ラミレス

DeNA
2005年 佐伯貴弘
2007年 村田修一
2010年 村田修一
2011年 村田修一

阪神
2005年 金本知憲
2006年 金本知憲
2007年 金本知憲
2008年 金本知憲
2009年 金本知憲
※2004年にも四番フル出場

広島
2007年 新井貴浩
2008年 栗原健太

中日
2009年 トニ・ブランコ

ヤクルト
2005年 アレックス・ラミレス
2006年 アレックス・ラミレス
※2003年にも四番フル出場

阪神・金本知憲


 2005年以降に四番フル出場を果たした選手はセ・リーグでは7人。目立つのはやはり阪神の金本知憲だ。1999年から2010年にかけて世界記録となる1492連続試合フルイニング出場、1万3686連続イニング出場を達成しており、阪神在籍時の2004〜2009年は6年連続で四番フル出場を続けた。四番での通算試合は921で、これは田淵幸一掛布雅之をも超えて球団史上2位(1位は藤村富美男の1070試合)だ。

 現在はDeNA監督のアレックス・ラミレスもヤクルト時代には3度も四番フル出場を達成。巨人に移籍してからも2009年、2010年と2年連続で四番フル出場と、チームが変わっても頼れる大砲であり続けた。

 DeNAは佐伯貴弘と村田修一、広島は新井貴浩と栗原健太、中日はトニ・ブランコが、2005年以降で四番フル出場を果たした選手。いずれのチームも、上記以外に強打を武器に本塁打を量産した選手が数多く在籍したが、1年を通して四番に座り続けることはできなかった。

パ・リーグはさらに人数が減って……



 次にパ・リーグで2005年以降四番フル出場を果たした選手をまとめてみた。

●西武
2018年 山川穂高

ソフトバンク
2014年 李大浩

楽天
2013年 アンドリュー・ジョーンズ

ロッテ
該当者なし

日本ハム
2012年 中田翔

オリックス
2012年 李大浩

 セ・リーグは7人だったが、パ・リーグはさらに少なく4人しかいない。

 高い攻撃力を誇る西武だが、2005年以降で四番フル出場したのは2018年の山川穂高のみ。西武には中村剛也という球界を代表するスラッガーがいるが、中村が主に四番を任されていた時期も1年を通して四番出場は果たせていないのだ。


ソフトバンク・李大浩


 西武と同じく高い攻撃力を持つソフトバンクも、四番フル出場したのは2014年の李大浩だけ。2000年代には松中信彦小久保裕紀などNPB史に残る強打者がいたが、2005年以降は四番フル出場が達成できなかった。創設15年目の楽天は2013年にアンドリュー・ジョーンズが四番でフル出場。チームの柱としてチーム初の日本一に貢献したが、ジョーンズ以外には四番フル出場選手は出ていない。

 日本ハムは中田翔が「不動の四番」だが、不調や故障が原因で四番を外れることも多く、四番フル出場したのは2012年のみ。オリックスは2012年に李大浩がフル出場したのみで、それ以外のシーズンは四番が固定できないことが多かった。

 ロッテは2005年以降では12球団で唯一「四番フル出場した選手がいない」チームだ。2000年代はフリオ・フランコベニー・アグバヤニフリオ・ズレータサブロー井口資仁といった選手が四番を務めてきたが、1年を通して出場し続けることはできず。2010年代は金泰均今江年晶アルフレド・デスパイネが多く起用され、ここ数年は井上晴哉が主に四番を任されているものの、いまだに四番フル出場を果たす選手は生まれていない。

 2005年以降の「四番フル出場選手」は11人という結果になった。巨人や西武、ソフトバンクといった強打が魅力のチームはもっと多いイメージがあるが、フル出場となると難しいといえる。また、年を追うごとに四番フル出場達成者は少なくなっており、ここ過去3年では西武の山川のみ。かなり寂しい状況だが、試合数が少なくなる今シーズンは2年ぶりの「四番フル出場」達成に期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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