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筒香嘉智、森友哉の後輩。スカウト注目の“守れて、打てる”遊撃手の夢はメジャー・リーガー

 

仙台育英高・入江大樹(3年)は「守れて、打てる遊撃手」として、NPBスカウトから注目されている


 筋肉隆々。ものすごい、二の腕である。

 ウエートトレーニングではなく、バットを振り込んで鍛えてきたというから驚きだ。

 仙台育英高の四番・入江大樹(3年)は、右打席から高校通算15本塁打を誇る「打てる遊撃手」である。

 和歌山県生まれの大阪育ち。中学時代はレイズ・筒香嘉智(横浜高)、西武森友哉(大阪桐蔭高)を輩出した堺ビッグボーイズでプレーした。185センチ83キロ。スケールの大きさは、先輩譲りと言える。練習を見学した際に充実施設に惹かれ、仙台育英高(宮城)への進学を決めた。

 昨夏の甲子園では「三番・遊撃」として8強進出。同秋は東北大会を制し、天理高(奈良)との明治神宮大会初戦(2回戦)では左翼中段への豪快な本塁打を放ち、NPBスカウトから注目を集めた。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月のセンバツは中止となり、2季連続での甲子園でプレーする機会を失った。緊急事態宣言中は地元へ戻り、堺ビッグボーイズの施設で汗を流した。「この期間で差が出る」。打撃においては、高校卒業後に「上のステージで活躍したい」と、木製バットで振り込んだ。

 また、守備面も強化。仙台育英高の専用球場は全面人工芝に対して、同ボーイズのグラウンドは土。腰を低くして捕球する基本を見直すと、明らかなレベルアップを実感できた。

「守れて、打てる遊撃手」となって、宮城へ戻ってきた。仙台育英高は「地方大会」の中止に伴う「代替大会」となる宮城県大会は、3年生のみで挑む。「秋までは2年生の力も借りてきたので、3年生の本当の実力が証明される。下級生がいなくても勝てるところを見せていきたい」と、県頂点を目指し、東北大会出場(8月9〜11日、宮城)を狙う。

 さらに、8月にはセンバツ出場32校による甲子園での「交流試合」が控える。昨夏は4試合で打点0と大舞台で力を発揮する難しさを味わっただけに「逆方向へも長打を打てるように、1試合で昨夏の悔しさを取り返す」と決意を語る。夢は大きく「メジャー・リーガー」。将来的にはNPBで実績を積んだ上で渡米するのが目標だが、今秋にプロ志望届を提出するかは「迷っています」と正直な思いを明かす。夏の結果次第で、決断を下していく。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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