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近藤健介、柳田悠岐、山田哲人……前人未到の打率4割に最も近い選手は?

 


 プロ野球の長い歴史で打率4割を達成した選手は1人もいない。歴代最高打率は1986年に阪神のランディー・バースが樹立した打率.389。7月8日に打率.407まで上昇し、9月終了時点まで打率.394と射程圏内だったが、打率4割は超えられなかった。また、89年には巨人ウォーレン・クロマティが当時のシーズン規定打席に達した時点で4割を超えていたが、チームが優勝争いをしていたため試合に出続けて打率.378と届かなかった。史上最多の8年連続首位打者を獲得したイチローも2000年に102試合終了時点で打率.392と金字塔達成へ注目が高まったが、右ワキ腹を痛めて戦線離脱。打率.387でシーズンを終えた。


 現役の選手の中で打率4割を狙える選手は誰だろうか。最有力候補の1人が日本ハム・近藤健介だ。抜群の選球眼と卓越したミート能力を誇る好打者で、17年に57試合出場で打率.413をマークしている。同年は開幕から安打を積み重ねて4割を超えたまま、6月上旬に椎間板ヘルニアで戦線離脱。脊椎の内視鏡手術を受けてシーズン終盤に復帰したが通算231打席と規定打席に200打席以上足りなかった。それでも、シーズンの通算打席数が100打席以上では歴代最高打率で、出塁率.567と驚異的な数字だった。近藤は18年も4月末まで打率.392の高打率だったが、右ふくらはぎの筋挫傷で戦線離脱して復帰後は打率を落とした。万全の体調で1年間戦えるかが大記録達成のカギを握りそうだ。

 15年に打率.363、18年に打率.352で2度の首位打者を獲得したソフトバンク・柳田悠岐も可能性を秘めている。18年は開幕から41試合終了時点の5月中旬に打率.394まで迫ったが、6月に月間打率.289とペースダウンしたのが響いた。最も怖いのは近藤同様に故障による戦線離脱だ。打棒が爆発して勢いに乗れば120試合制のペナントレースで打率4割は決して夢物語ではない。


 史上初の3度のトリプルスリーを達成しているヤクルト・山田哲人は俊足巧打の打撃スタイルで15年の打率.329が自己最高。意外に低く感じるが、トリプルスリーを目指して本塁打も量産しなければいけない事情が影響している部分もあるだろう。昨年は打率.271、35本塁打、33盗塁。打率3割をクリアできず、4度目のトリプルスリーを逃した。打率4割は現実的な数字ではないかもしれないが、今までも前人未到のすさまじい成績を残してきた。今季は高津臣吾新監督の下、二番という新たな打順でどのような成績を残すかが楽しみだ。

写真=BBM
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