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ボーアの今後は? 期待されながらも厳しい結果だった阪神の助っ人

 


 阪神の助っ人ジャスティン・ボーアが苦しい状況に陥っている。メジャー通算92本塁打の実績から大きな期待が寄せられたが、開幕後は18打席連続ノーヒット。19打席目にして待望の初安打が出たが、かつてランディ・バースが残した開幕後15打席連続ノーヒットのチーム記録を更新してしまった。阪神の助っ人には、同じように期待されながらも残念な結果に終わった選手が数多くいるが、その中から特に印象的だった助っ人をピックアップしてみた。

懐かしい“がっかり助っ人”の名も……



 阪神の“がっかり助っ人”を挙げる上で、避けては通れないのが1997年に加入したマイク・グリーンウェルだ。球団史上最高の年俸3億6000万円(推定)で迎え入れられたグリーンウェルは、メジャー通算打率が3割を超えており、オールスターにも2度出場。その実績から「史上最強助っ人になるだろう」とファンからも大きな期待が寄せられたが、結果はご存じのとおり。7試合に出場後に骨折し、「神のお告げ」により急きょ引退してしまった。

阪神・ディアー


 1994年に入団したロブ・ディアーも、メジャーでの高い実績から期待された助っ人だ。MLBでは在籍10年で226本塁打と活躍。阪神加入前年も21本塁打と、34歳になってもパワーは健在だった。キャンプでも好調で、「今度こそバースの再来」と期待されたが、いざ公式戦が始まるとまったく打てず、8月に右手親指の靱帯を断裂して帰国。結局70試合で打率.151、8本塁打と期待に応えられず、そのまま退団となった。

 2018年のウィリン・ロサリオは、韓国リーグにて2年連続で打率3割、30本塁打、100打点を記録したことから大きな期待が寄せられた助っ人だ。推定3億4000万円という高額年俸にもその期待は表れていた。しかし、いざ開幕すると期待されたほどの打撃を披露できず。6月以降はファーム落ちと一軍昇格を繰り返し、結局75試合で打率.242、8本塁打、40打点と低迷。シーズン終了後に自由契約となった。

オープン戦好調も公式戦は別人


 阪神に入団した助っ人の中には「オープン戦で圧巻の成績を残したものの、公式戦ではてんで打てない」というケースも少なくない。例えば2001年に入団のイバン・クルーズだ。メジャー実績はないものの、オープン戦は打率.385、7本塁打、14打点と予想以上の活躍を残し、チームの大砲として大いに期待された。しかし、シーズンが進むにつれて成績は下降し、シーズン途中に肩の故障で離脱。70試合で打率.234、14本塁打、34打点と期待された結果は残せず退団となった。

 2004年に入団したマイク・キンケードも「オープン戦はすごかったけど公式戦はさっぱり」だった助っ人。オープン戦で打率4割を記録し、チームの主軸としての活躍が期待されたキンケードだが、公式戦が始まるとさっぱり打てず。また、ホームベースに極端に近づくフォームのため死球が多く、26試合で12死球と当てられ(当たり?)まくった。5月には死球で指を骨折して戦線離脱。8月には二軍生活を経て一軍復帰するも、捕球の際に負傷して再び戦線を離脱し、そのままチームを去ることになった。

 2013年に入団したブルックス・コンラッドも「開幕以降は別人」だった。オープン戦では満塁弾を放つなど活躍し、見事に開幕スタメンを勝ち取ったコンラッドは、開幕3連戦でも4安打と好調を維持。しかし、4月に入ると急激に調子を落とし、開幕から58打席連続無打点のワースト記録を更新するほど打てなくなってしまう。結局、打撃不振を理由に出場機会を失い、このシーズン限りで退団。成績は24試合で打率.175、0本塁打、0打点。公式戦に出場した阪神の助っ人の中で、1打点も挙げられずに退団するのはコンラッドが初だった。

 ほかにも1991年のマーベル・ウイン、1999年のマイク・ブロワーズ、2001年のエドワード・ペレス、2009年のケビン・メンチといった、メジャー実績から高額年俸で契約を結んだ期待の助っ人が数多くいるが、ことごとく期待に応えられずにチームを去っている。

 阪神伝説の助っ人のバースは、来日1年目の83年、15打席無安打のあと徐々に調子を上げ、最終的に打率.288、35本塁打、83打点と活躍。そのバースの無安打記録を更新したボーアは、過去のダメ助っ人のように活躍できずに終わるのか、それともバースのようにここから上り調子となるか、今後のプレーに注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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