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打線の特徴が表れる? パ・リーグ6球団「二番打者事情」

 

東北楽天ゴールデンイーグルス



 ここまで9試合中7試合で鈴木大地が務めている。6月19日、オリックスとの開幕戦(京セラドーム)では8回に決勝打を放ち、これが自身の通算1000安打目となった。26日の日本ハム戦(楽天生命パーク)では一番・茂木栄五郎が3安打2打点、二番・鈴木大が2安打2打点と、新一、二番コンビが得点に絡んでいる。9試合で犠打は2つのみと手堅く送るケースはまれで、ときにはヒットエンドランなど強攻策も見られる。チームでは開幕から八番・太田光と九番・辰己涼介が打撃好調。打率3割目前と、調子が上向いてきた鈴木大のバットにより得点が生まれるケースも増えてきそうだ。

千葉ロッテマリーンズ



 過去2度の首位打者に輝いている巧打の角中勝也が開幕から7試合、二番に。バットが低調で6月27日のオリックス戦(ZOZOマリン)では岡大海、28日の同戦では福田光輝が入ったが、基本は角中だ。一番・荻野貴司の巧打は健在で、打率.361と好調。さらに俊足も併せ持ち、荻野が出塁すれば、盗塁やエンドランなど多彩に攻撃を仕掛けたいとあって、ミート力に長ける角中が二番を担って好機を広げたい考えだ。四番・レアードは開幕から好調を維持し、チームトップタイの7打点。チームは8連勝と波に乗る中で、角中の調子が上向けば、さらに打線は活気づくだろう。

埼玉西武ライオンズ



 今年も西武強力打線の二番には開幕から源田壮亮が座っている。新人時代の2017年から辻発彦監督は背番号6につなぎ役を託しているが、今季は9試合を終えた時点で打率.162と数字は残せていない。だが、必死に持ち味を生かそうとしている。例えば6月28日のソフトバンク戦(メットライフ)。1対3で迎えた3回裏、先頭の一番・スパンジェンバーグが左前打で出塁すると、続く源田は強攻。遊ゴロとなったが、快足を生かして併殺を免れて一塁に生きると三番・森友哉のとき二盗に成功。さらにワイルドピッチで三塁に進むと、森の二ゴロの間にホームを陥れた。ただ、出塁率も.205と高くなく下位に置く手もあると思うが、辻監督はよほどのことがない限り、「二番・源田」を動かすことはないだろう。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・大田泰示


 ファイターズ打線の大きなポイントでもある「二番・大田泰示」。バントをしない強打の超攻撃型二番としての役割を託されているが、ここまで全9試合で打率.171、OPSも.488とリードオフマンの西川遥輝が出塁しても、三振または凡打でチャンスを広げることができず、本来の力は発揮できていない。だが、20本塁打をマークするなどキャリアハイの成績を残した昨シーズンの開幕も同様に苦しみながらの船出だっただけに、本拠地の札幌ドームに戻れるアドバンテージも力に代え、次戦のカードからの背番号5の爆発が待たれる。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・柳田悠岐


 本来であれば小技も使える今宮健太の定位置となるはずだった。しかし、背中の張りで開幕から決して無理はさせられない状況。長期離脱を防ぐために、今後も休ませながらの起用が余儀なくされる。そんな中、工藤公康監督が大きく動いたのが6月27日の西武戦(メットライフ)。練習試合でも試して度肝を抜いた「二番・柳田悠岐」をさっそく繰り出した。そして、その起用にすぐさま応えるのが柳田のすごさだ。第1打席でバックスクリーンへ先制弾。翌日の同カードでも二番に座り、前日のリプレーかのごとく、またも第1打席でバックスクリーン弾を放った。いずれも空砲だったのが残念でならないが、「二番・柳田」は今後も相手チームにとっては脅威となりそうだ。

オリックス・バファローズ


オリックス・安達了一


 開幕から5試合はロドリゲスが二番に座るも、連敗を喫する中で6月25日のロッテ戦(ZOZOマリン)から打線を組み換えている。二番は大城滉二と安達了一の日替わり。ただ、大城のバットが低調とあって機能しているのが安達のほうだ。28日の同戦では初回に一番・中川圭太が二塁打を放つと、犠打を決め切れずに追い込まれながら一ゴロに進塁打。最低限の役割を果たしている。長打力も秘めており、右方向への軽打はお手の物。経験豊富な9年目が、打線の潤滑油には適任だろう。ただ、潰瘍性大腸炎を患っており、フル稼働はできない。二番固定は時間がかかるかもしれない。

写真=BBM
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