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打線の特徴が表れる? セ・リーグ6球団「二番打者事情」

 

読売ジャイアンツ



 原辰徳監督が復帰した2019年の大きなトピックスの1つでもあった二番・坂本勇人が今季もベース。6月に入り新型コロナウイルス感染で10日間の入院を余儀なくされ、退院後は短い準備期間で開幕を迎えたが、9試合で11安打、打率.314と安定している。ところが、三番を打つ丸佳浩が開幕2カードを終えて打率.053と本来の姿ではなく、6月26日のヤクルト戦では二番・丸、三番・坂本と打順を入れ替えた。原監督は「左ピッチャー(石川雅規が先発)ということでね、丸にとって風景が変わるのもいいかもしれない。後ろ向きというよりは、試行だね」とその理由を明かしている。28日もヤクルト先発が左の山田大樹だったため、二番が丸に。ただ、丸が復調すれば二番・坂本、三番・丸の順番に落ち着くだろう。

横浜DeNAベイスターズ



 オープン戦では、「二番・オースティン、三番・ソト」の順であったが、開幕カードでオースティンが右肩の張りでスタメンから外れたため、二番には代役で乙坂智桑原将志が座った。新助っ人のオースティンが2カード目から復帰すると、ラミレス監督は「二番・ソト、三番・オースティン」と打順を入れ替えた。2年連続ホームラン王のソトが二番にいることで、初回から相手投手に与えるプレッシャーは相当のもの。自然と四球も増え、ソトの出塁率は.462。しっかりと得点のお膳立てをして、好調なクリーンアップにつなげている。今のところ指揮官の狙いがうまく機能しているようだ。

阪神タイガース



 開幕前からの矢野耀大監督の構想で「二番・近本」でスタートした阪神。しかし、開幕から2連敗で、打線の流れが悪く連敗が続いたことから開幕3戦目で近本光司を一番に起用し、二番には糸原健斗が入った。ただ阪神打線全体が低調ということもあって、機能しているとまではまだ行っていない。昨年と同じような打線の組み方に戻したことで、打線の調子を上げていくつもりだ。一番・近本、二番・糸原の慣れたコンビで6月30日からの中日戦(ナゴヤドーム)でもう一度で巻き返す。

広島東洋カープ



 田中広輔がショートのレギュラーに戻ってきた今季は、慣れ親しんだ「タナ・キク」コンビが復活するかと思いきや、チーム事情で慣れないピレラとの一・二番コンビでスタート。それが影響したのかどうか、広島の二番・菊池涼介は、シーズン第1打席のらしからぬ送りバント失敗から3試合ノーヒット。4試合目には気分転換も兼ねて八番に回ったこともあった。それでも5試合目に定位置の二番に戻ると3安打、そこからは6月28日まで5試合連続安打と、だんだんと本来のリズムを取り戻してきた。まだ、一番・ピレラが走者のときの呼吸の合ったプレーまでは出ていないが、それが出るようになってくれば、「二番・菊池涼」の本領発揮となりそうだ。

中日ドラゴンズ


中日・平田良介


 開幕で二番に座ったのは平田良介だった。与田剛監督が考える攻撃的な二番として、長打もあり、右打ちもできる平田が適任となったのだ。しかし、開幕4試合で18打数1安打と散々な結果に終わると、5試合目にして早くもスタメン落ち。二番には遠藤一星が座り、その後はアルモンテ武田健吾、そして好調の大島洋平が務めたが、それでも4人で18打数1安打とまったく機能せず。9試合を戦って二番がわずかに2安打、これが3勝6敗の成績につながっていると言ってもいいだろう。平田は一番に戻って復調の兆しを見せているものの、現在の中日は二番が完全な穴。開幕早々、大きな問題を抱えている。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・山田哲人


 山田哲人が開幕から二番に座り、リーグトップの11打点をたたき出す活躍を見せている。ヤクルトの一、二番は全試合で一番・坂口智隆、二番・山田哲。坂口はチームトップの出塁率.450を誇り、超攻撃的な上位打線となっている。これまで9試合を消化しているが、坂口が出塁→山田哲が本塁打で一気に2点を奪ったのは3試合だ。後ろに三番・青木宣親、四番・村上宗隆が控えていることもあり、相手投手は山田哲と勝負せざるを得ない。強打者が並ぶヤクルト打線において、二番・山田哲は最大限の力を発揮していると言える。

写真=BBM
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