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楽天ドライチ・小深田の1年目、オコエ、辰己と比べてみると……

 

6月30日のロッテ戦でプロ初安打をマークした小深田


 楽天のドラフト1位ルーキー・小深田大翔が、6月30日のロッテ戦(楽天生命パーク)でプロ初ヒットをマークした。開幕一軍をつかみ、代走や守備固めで出場を続け、自身8試合目での初ヒットとなった。過去の楽天のドライチを調べてみると、野手で1位指名されたのは2016年入団のオコエ瑠偉(高卒)、19年の辰己涼介(大卒)、そして小深田(社会人卒)の3人のみ。いずれもルーキーイヤーに開幕一軍を果たしている。では3人の開幕直後の成績はどうだったのだろうか。

 オコエは球団史上初の高卒野手開幕一軍を果たすと、開幕戦で代走にてプロデビュー。2戦目には初打席、初出塁、初盗塁をマークした。4月14日にチーム事情から二軍落ちとなるも5月29日には一軍昇格。すると31日にプロ初安打(13打席目)、6月18日にはプロ初本塁打を放っている。こちらも高卒ルーキーとしては球団初の1年目での本塁打となった。

 辰己は開幕2戦目の3月30日に守備固めでプロ初出場。翌31日にはプロ初スタメンでプロ初安打、初打点、初盗塁をマークするメモリアルな1日に。初安打は2打席目と早々に結果を残している。しかし、その後は打撃が低迷し4月22日に二軍降格。それでも5月3日に再昇格すると6日にプロ初本塁打を放った。

 では小深田はどうか。開幕戦の守備固めでプロデビューを果たすと、2戦目の6月20日に代走で出場し、プロ初盗塁。30日には8打席目にして初安打を放っている。

 打撃にはあまり期待されていない印象を受ける小深田だが、その印象は打席結果よりもむしろ、起用法にあったようだ。開幕から10戦目までの出場に焦点を絞ってみると、オコエは9試合連続出場でスタメン1試合、辰己が7試合出場でスタメン6試合、小深田は8試合出場でスタメン出場なしとなる。

 俊足と堅守を武器とする小深田は、足から得点機を作り、守り勝つ野球を目指す三木肇監督の野球を最も体現しているといえるだろう。オコエや辰己とは違う存在感を放ちながら、チームの勝利に貢献しているのだ。三木野球において、守備・走塁のスペシャリストがどれほど重要なポジションを占めるのか、小深田の成績、起用法には今後も注目していきたい。オコエ、辰己はともに、開幕から1カ月以内に二軍を経験しているが、小深田はいかに――。

文=阿部ちはる 写真=BBM
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