伸び悩んでいた広島の堂林翔太に再ブレークの奮起が漂う。高卒3年目の2012年に144試合出場で打率.242、14本塁打をマークして、若手のホープと期待されたがチャンスをつかみ切れず、その後は一軍と二軍を往復する日々。昨年は自己最少の28試合出場にとどまった。だが、背水の陣で迎えた今季は違う。19日の
DeNA戦(横浜)で「七番・一塁」で6年ぶりの開幕スタメン出場を果たすと、翌20日に4安打の大暴れ。25日の
巨人戦(東京ドーム)では17年5月31日
西武戦以来、1121日ぶりの1発。28日の
中日戦(ナゴヤドーム)でも今季2本目のアーチを放つなど奮闘している。今回は堂林のように近年は不調や故障で苦しみながらも、再ブレークが期待される選手たちを取り上げてみた。
※通算成績は昨季終了時点までの成績 ・梶谷隆幸(DeNA)
※昨年成績 41試合出場 打率.215、5本塁打、15打点
※通算成績 786試合出場 打率.260、100本塁打、344打点
身体能力の高さを買われ、当時の
中畑清監督に抜擢されると、2013年に77試合出場で打率.346、16本塁打をマーク。翌14年には39盗塁でタイトルを獲得した。その後も主力として活躍したが、18年に右肩痛の影響もあり41試合と出場数が激減。昨季もファーム暮らしが長かった。今季はオープン戦、練習試合で結果を残し、開幕から「一番・中堅」で打線を牽引している。
・岩崎翔(ソフトバンク)
※昨年成績 2試合登板 0勝0敗、防御率4.50
※通算成績 234試合登板 28勝26敗5セーブ72ホールド、防御率3.32
150キロを超える直球、スライダー、フォークを武器にセットアッパーとして稼働。2017年は球団新記録の72試合に登板して防御率1.99と抜群の安定感だった。同年に40ホールドをマークして最優秀中継ぎ投手を受賞。リーグ優勝に大きく貢献した。しかし、18年は右ヒジの違和感で手術に踏み切り、2試合の登板のみ。昨年もリハビリ生活が長くシーズンの大半がファーム暮らしだった。勝利の方程式に返り咲き、もう一度輝きを取り戻す。
・陽岱綱(巨人)
※昨年成績 110試合出場 打率.274、4本塁打、21打点
※通算成績 1277試合出場 打率.271、104本塁打、476打点
日本ハムで主軸として活躍し、2013年に47盗塁でタイトルを獲得。14年には25本塁打を放つなど俊足と長打を兼ね備えたスケールの大きいプレースタイルでファンを魅了した。17年に巨人にFA移籍後は度重なる故障もあり、3年間規定打席に到達できず。昨年もスタメン出場は左投手に限られ、不本意な成績に終わった。今年は本職の外野だけでなく、一塁にも挑戦して出場機会を増やす。
・藤浪晋太郎(阪神)
※昨年成績 1試合登板、0勝0敗、防御率2.08
※通算成績 128試合登板、50勝40敗、防御率3.25
プロ1年目から3年連続2ケタ勝利をマークし、同期入団の
大谷翔平(当時日本ハム、現エンゼルス)とともに球界を代表するエースと期待されたが、制球力を修正しようと投球フォームに試行錯誤して成績が下降。昨季の一軍登板は1試合のみだった。今季はシーズン前に新型コロナウイルスに感染したことが判明した。開幕二軍スタートで、巻き返しを狙う。
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薮田和樹(広島)
※昨年成績 4試合登板、0勝2敗、防御率9.24
※通算成績 73試合登板、21勝9敗3ホールド、防御率3.69
亜大では右ヒジ骨折や右肩痛などに苦しみ、リーグ戦通算2試合登板で0勝と無名の存在だったが、潜在能力の高さに目をつけた広島が2014年のドラフトで2位指名。3年目の17年に15勝3敗、防御率2.58と大ブレークして最高勝率(.833)のタイトルを獲得した。先発の柱に期待されたが、その後は制球難に苦しみ18年は2勝、昨季が未勝利と結果を残せず。今季は再ブレークを目指す。
写真=BBM