巨人・岡本和真が絶好調だ。開幕から14試合終えた時点で打率.426、5本塁打はリーグ1位、12打点は同2位と好成績を残している。一過性の勢いでなく、高度な技術も詰まっている。24歳の誕生日を迎えた6月30日の
DeNA戦(東京ドーム)で8回にバックスクリーン左へ3試合連続弾となるバースデーアーチを放ったが、その前の打席も貢献度が高い。1点を追う6回一死一、二塁で
国吉佑樹の外角低めのカットボールを強引に引っ張らず、逆方向の右翼線にはじき返す適時打。首脳陣の期待に最高の結果で応え、塁上で珍しくガッツポーズを見せた。
巨人の四番として試練を乗り越え、たくましさが増している。2018年にプロ野球史上最年少の打率3割、30本塁打、100打点を達成。相手のマークが厳しくなった昨年は前半戦で打率.250を前後して調子が上がらず、四番から外されるときもあった。2年連続全試合出場で打率.265、31本塁打、94打点と5年ぶりのリーグ優勝に貢献したが、本人に満足感はないだろう。先輩の
坂本勇人が打率.312、40本塁打、94打点でセリーグの遊撃手で史上初のシーズンMVPに。その活躍は大きな刺激になったはずだ。
岡本自身が納得する結果が残せれば、来年に延期された東京五輪の出場も現実味を帯びてくる。スポーツ紙デスクはこう分析する。「侍ジャパンでレギュラーが固定できていないのが三塁です。昨年のプレミア12では
松田宣浩(
ソフトバンク)が守ったが打撃不振で、ユーテリティープレーヤーとして定評がある
外崎修汰(
西武)がスタメンで起用されました。岡本は昨シーズンの打撃内容が安定感に欠けていたのでプレミア12のメンバーに選出されませんでしたが、今年は打撃の軸がしっかりしていて懐が深く感じる。外国人の手元で動く球にもきっちり対応できるし、東京五輪では間違いなく三塁の本命になるでしょう」。
坂本、
山田哲人(
ヤクルト)、
鈴木誠也(
広島)、
浅村栄斗(
楽天)……右の強打者が並ぶ打線に進化を遂げようとしている岡本が加われば、さらに破壊力が増す。
写真=BBM