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見事な逆転満塁弾を放った堂林翔太の改善されたカウント別の打撃とは?

 

7月8日のDeNA戦の8回、逆転満塁弾を放った堂林


 本拠地での今季初勝利に導く貴重な逆転満塁弾だった。7月8日DeNA戦(マツダ広島)。2対3で迎えた8回一死満塁で打席に立った広島の堂林翔太が、1ボール1ストライクからパットンが投じた148キロの外角直球をジャストミート。打球はバックスクリーンに飛び込む3号逆転満塁本塁打となった。この試合、2019年9月16日ヤクルト戦以来となる三塁でスタメン出場を果たし、3回には同点打も放つなどチームの連敗を4で止める立役者となった。

 高卒3年目の12年に14本塁打を放ち、“鯉のプリンス”としてさらなる飛躍が期待されていたが、成績は右肩下がりに。昨季は自己最少の28試合出場に終わり、打率.206、0本塁打、2打点。今季、まさに正念場を迎えていたが、8日現在、11試合に出場して、41打数17安打、3本塁打、9打点、打率.415と復活を果たしている。

 オフには3学年後輩の鈴木誠也の自主トレに志願して参加。「何か質問すれば全部返ってきますし、後輩ですけど、すごく心強かった」。上体が前に突っ込んでいることを指摘され修正し、体重移動の考え方についても助言をもらった。さらにOBの新井貴浩氏からの「バットのヘッドを最短距離で出す」という助言されたイメージをたたき込み、打撃練習では中堅方向を意識し続けた。そういった努力が花開こうとしている。

 今季の堂林のカウント別打撃を見ると0ストライク時は打率.333(9打数3安打)、1ストライク時は打率.667(9打数6安打)、そして打者が不利な2ストライク時も打率.348(23打数8安打)と満遍なく打っている。さらに最も目を引くのが3ボール2ストライク、いわゆるフルカウントでの成績だ。

【堂林の年度別フルカウント打撃成績】
・2012年 打率.188(48打数9安打、1本塁打19四球)
・2013年 打率.136(44打数6安打、1本塁打、15四球)
・2014年 打率.290(31打数9安打、2本塁打、15四球)
・2015年 打率.333(9打数3安打、0本塁打、1四球)
・2016年 打率.182(11打数2安打、1本塁打、1四球)
・2017年 打率.000(4打数0安打、0本塁打、2四球)
・2018年 打率.000(1打数0安打、0本塁打、2四球)
・2019年 打率.000(1打数0安打、0本塁打、2四球)
・2020年 打率.556(9打数5安打、2本塁打、1四球)

 昨季までの堂林は打者有利と言われるフルカウントを苦手にしていたが、今季は打率.556。すでに2本塁打を放っている。四球を出したくない心理が働く投手が投げるストライク投球を逃さずとらえている証だろう。今季、堂林の打席がますます楽しみなる。

写真=BBM
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