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巨人・戸郷翔征が「貴重な経験」と心に刻んだ球界屈指の好打者との対戦とは?

 


 偉大なる先輩を超えた。7月15日の広島戦(マツダ広島)。巨人先発の戸郷翔征は立ち上がりから150キロ超の直球にスライダー、フォークなどの変化球を散りばめ、広島打線を封じ込める。5回二死までノーヒットノーランを続けるなど、6回2安打無失点の好投でセ・リーグトップタイの3勝目をマーク。高卒2年目以内で開幕から3戦で3勝を挙げたのは、球団では1987年の桑田真澄を超える快挙だった。

「大先輩に一歩でも近づけるようにこれからも頑張っていきたいです」と白い歯を見せた戸郷は昨年、聖心ウルスラ学園高からドラフト6位で入団。9月21日、5年ぶりの優勝に王手をかけた一戦(対DeNA、横浜)でプロ初登板初先発を果たすなど2試合に登板し、1勝0敗、防御率2.08という成績を残していた。

 昨年はソフトバンクとの日本シリーズにも登板。大舞台で貴重な経験を積んだが、一番印象に残っているのは第3戦(東京ドーム)、2対2と同点の4回に3番手でマウンドに上がり、一死後、内川聖一と対した場面だったという。球界屈指の好打者にフルカウントからの6球目、外角低め139キロのカットボールを、体勢を崩しながらも左前に運ばれた。

「正直、打ち取ったかな、三振を取れたかなと思ったんですが、左手一本で運ばれました。あのときはワケが分からなくて動揺しましたけど(※直後に4失点)、冷静に振り返ると、もう少し前に落としておけばどうだったか、と。振らないかもしれないですけど、あの場面でもっと低めの意識があれば違う結果になっていたかもしれない、と反省しました。日本シリーズで負けてしまったことは残念ですけど、逆にあの一本を経験できたことは自分にとっては大きなプラスになると考えています」

 失敗を着実に成長へとつなげている戸郷。今季の新人王の最有力候補でもある。桑田は2年目、130試合制で15勝をマークしたが、戸郷がどこまで近づけるか楽しみだ。

写真=BBM
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