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清宮、村上、安田…高卒3年目の「スラッガートリオ」の現在地

 


 高卒3年目。球界を担うスラッガーとして注目された日本ハム・清宮幸太郎、ヤクルト村上宗隆ロッテ安田尚憲の立ち位置はドラフト時から大きく変わった。

 この3選手の中でアマチュア時代、注目度が断トツに高かったのは清宮だった。中学時代に出場したリトルリーグ世界選手権ではエースで主砲と投打で活躍して優勝に貢献。米国メディアから「和製ベーブ・ルース」と称された。早実に進学すると1年から主軸を担い、甲子園に2度出場して史上最多の高校野球通算111本塁打を樹立。2017年のドラフトでは高校生最多タイの7球団が競合して日本ハムに入団した。新人1年目は高卒では王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)に並ぶ歴代9位の7本塁打をマーク。昨季は開幕前に右有鉤骨骨折で戦線離脱したのが響き、81試合出場で打率.204、7本塁打と不完全燃焼だった。3年目の今季は7月17日現在で打率.174、3本塁打。チャンスを与えられているが、レギュラーをつかみきれていないのが現状だ。

ヤクルト・村上宗隆


 清宮と対照的に大ブレークして「不動の四番」に成長したのが、ヤクルト・村上宗隆だ。九州学院高では1年秋から捕手を務めて高校通算52本塁打。ドラフトでは清宮の外れ1位で巨人楽天、ヤクルトが競合した。ヤクルトに入団すると、1年目にプロ初打席初本塁打の鮮烈デビュー。2年目の昨季は全試合出場で36本塁打と早くも素質を開花させた。96打点は高卒2年目以内でシーズン最多記録と全国に名を轟かせ、新人王に輝いた。今季はソフトバンクに移籍した主砲・バレンティンに代わる新四番に。打率.388、3本塁打、リーグトップの24打点と好スタートを切った。

ロッテ・安田尚憲


 ロッテ・安田尚憲も左の長距離砲として、村上、清宮にスケールでは負けていない。履正社高では高校通算65本塁打を放ち、「東の清宮、西の安田」と称された。ドラフトでは清宮の外れ1位でソフトバンク、阪神、ロッテが競合。ロッテの井口資仁監督が当たりクジを引き当てた。昨季一軍出場なしに終わったが、今季は7月7日の西武戦(ZOZOマリン)で高橋光成から右翼席中段に豪快な一発を放って和製大砲の片りんを見せた。主に指名打者で起用されているため、打撃でアピールして信頼を勝ち取りたい。

 高卒のスラッガーは育てるのに時間がかかると言われる。プロの投手の球のキレ、変化球の精度の高さに戸惑う上、高校野球の金属バットからプロの木製バットに対応しなればいけない。村上はプロの世界で変貌を遂げたが、水を開けられた形の清宮、安田もまだ21歳。5年後、10年後、彼らはどのように進化しているか。今後の活躍が注目される。

写真=BBM
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