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夢の打率4割が実現? シーズン最高記録をあらためて振り返る

 

 今シーズンは全120試合と、例年よりも短い試合数で開催されている。そのため、本塁打や勝利数など「数字を積み重ねる」タイトルは例年よりも少なくなる可能性が高い。一方で、反対に打率や出塁率は試合数が少ない方が高くなる可能性があり、シーズン最高記録に迫ることも考えられる。そこで今回は、各タイトルの「シーズン最高記録」を改めて紹介する。
※記事内の今季成績は2020年7月17日時点

堂林がバースを超えるか?



 まずは野手タイトルから見てみよう。

●首位打者(打率)…….389(ランディ・バース/1986年)

 打率は1986年に阪神のバースが記録した.389がシーズン最高記録だ。前年三冠王に輝いたバースはこの年も打ちまくり、7月には打率4割を突破。その後も3割9分台を維持するも、最終盤の試合で無安打に終わったことが響き、.389の成績に終わった。今季は広島の堂林翔太が好調で、22試合を消化して打率は.446。まだ先は長いが、夢の4割打者誕生となるか注目だ。

●最多本塁打……60本(ウラディミール・バレンテイン/2013年)

 2013年にヤクルトバレンティンが従来の記録を5本も上回る60本を放ち、最多本塁打記録を更新。来日3年目での快挙だった。今シーズン、楽天の浅村栄人が24試合で10本塁打と打ちまくっているが、120試合で50本ペースなのでこのままだとバレンティンには届かない。ただ、今後ペースがアップすれば更新する可能性はある。

●最多打点……161打点(小鶴誠/1950年)

 打点は2リーグ制となった1950年に松竹の小鶴が記録した161打点が歴代最多。これまで名だたる強打者がこの記録に挑んできたが、いずれも160打点台にも到達することはできなかった。およそ70年もの間破られていないアンタッチャブルな記録だが、楽天の浅村は24試合で31打点を挙げており、120試合だと155打点になる計算だ。ペースが上がれば分からない数字だ。

●最多安打……216本(秋山翔吾/2015年)

 シーズン最多安打は2015年に西武の秋山が記録した216本がNPB記録だ。この年に突如として覚醒した秋山は、史上3番目の速さとなる63試合目で100安打に到達。高橋慶彦が残した「33試合連続」の日本記録には及ばなかったものの、31試合連続安打を達成するなど、とにかく打ちまくり、最終的に従来の記録を2本上回る216安打を記録した。今季は現時点でこの記録に迫るペースの選手はいない。

阪急・福本豊


●最多盗塁……106盗塁(福本豊/1972年)

 歴代シーズン最多盗塁は、言わずと知れた世界の盗塁王・福本豊が記録した106盗塁だ。阪急入団4年目の1972年、福本はバッティング技術の向上によって出塁機会が増えたが、同時にとにかく走りまくった。塁に出ると必ずといっていいほど盗塁を試み、気が付けば当時のMLB記録(104盗塁)を超える106盗塁を達成。今季はロッテ荻野貴司が24試合で11盗塁と好ペースだが、福本の記録を超えるのはまず難しいだろう。

●最高出塁率…….487(落合博満/1986年)

 最高出塁率はロッテ時代の落合が1986年に記録した.487が歴代最高記録。1986年は2年連続、史上初となる通算3度目の三冠王に輝いた年で、出塁率も前年の.481を上回り、出塁率が公式記録となってから最高となる数字を記録した。ちなみに、公式記録となる以前の記録では、王貞治が1974年に残した.532が歴代最高だ。今季はソフトバンク柳田悠岐が.495と高い数字を維持しており、記録更新の期待がかかる。

驚異的な数字が並ぶ投手タイトル最高記録


西鉄・稲尾和久


 次に投手タイトルの最高記録をまとめてみた。

●最優秀防御率……0.73(藤本英雄/1943年)

 1リーグ時代に巨人の藤本英雄が記録した0.73が歴代最高防御率だ。この年は投手五冠を達成し、さらにシーズン19完封(これもNPB記録)と驚異的な数字を残した。藤本は1950年にNPB初の完全試合も達成している。今季はここまでDeNAの平良拳が防御率1.08と好調だ。

●最多勝利……42勝(ヴィクトル・スタルヒン/1939年、稲尾和久/1961年)

 シーズン最多勝利は、巨人のスタルヒンと西鉄の稲尾が記録した42勝が歴代最多。2013年に楽天の田中将大が驚異的なピッチングを披露したが、それでも24勝。歴代記録には遠く及ばなかった。先発投手に十分な休養を与える最近のローテーションでは、この記録を上回ることはできないだろう。

楽天・田中将大


●勝率第一位投手……1.000(景浦将/1936年秋、御園生崇男/1937年秋、間柴茂有/1981年、田中将大/2013年)

 勝率1.000、つまり年間を通して1度も負けなかった投手は過去に4人いる。景浦、御園生という1リーグ時代に活躍した大阪のレジェンド2人に加え、開幕から15連勝負けなしで当時の新記録を生み出した日本ハムの間柴。ここに2013年に開幕から24連勝を達成した田中将大が並ぶ。今季は現時点で6人が勝率1.000で並んでいるが、果たして負けなしでシーズンを終える選手が出るか注目だ。

●最多セーブ……54セーブ(デニス・サファテ/2017年)

 シーズン最多セーブは2017年にソフトバンクのサファテが達成した54セーブ。この年のサファテは安定感抜群で、セーブ失敗は1度のみ。外国人投手史上初の通算200セーブも記録するなど、絶好調のシーズンだった。試合数が少ないとセーブ機会での登板も減るため、今季54セーブを上回るのは難しそうだが、どこまで迫れるのか期待したい。


●最優秀中継ぎ(ホールドポイント)……59(浅尾拓也/2010年)

 1シーズンでの歴代最多ホールドポイントは、2010年に中日の浅尾拓也が記録した59HPだ。前年に先発から本格的にセットアッパーに転向した浅尾は、2010年は中継ぎとして大車輪の活躍を見せ、21試合連続ホールドポイントのNPB記録を樹立。最終的に59HPを挙げ、最優秀中継ぎ投手に選ばれた。ホールドポイントもセーブと同じく試合数が少ないと更新が難しいため、今季の記録更新は見られない可能性は高い。

●最多奪三振……401奪三振(江夏豊/1968年)

 NPB記録の中にはアンタッチャブルな数字がいくつもあるが、1968年に江夏が記録した401奪三振もその一つだ。阪神入団1年目でいきなり225奪三振を記録した江夏は、翌1968年になるとさらにピッチングに磨きがかかり、奪三振数も急増。9月に354個目の三振を奪ってNPB記録を更新すると、401奪三振まで到達した。現在も巨人の菅野智之や楽天の則本昂大オリックス山本由伸など奪三振率の高い投手はいるが、401奪三振更新は難しいだろう。

 選手の目標となる各タイトルの「最高記録」を紹介した。盗塁や勝利数、奪三振などは今後破られることはないと思われる。しかし、打率や防御率は全120試合と少ない今シーズンは記録更新の可能性はある。歴史が変わる瞬間が見られるのか、各タイトルのランキング上位を走る選手に注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM

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