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鳥谷が遂げた全試合先発出場を目指せる早大の1年生遊撃手

 

早大・熊田任洋は7月19日、ENEOSとのオープン戦で一時逆転となるタイムリー。1年生とは思えない存在感を見せている


 昨春のセンバツ甲子園で30年ぶり5度目の優勝。東邦高で四番を担った熊田任洋は早大に進学した。昨年9月のU-18W杯(韓国)では、高校日本代表でプレー。侍ジャパンを通じてチームメートの石川昂弥(東邦高では三番)は中日で、すでに一軍プロ初打席初安打を放っている。熊田も舞台こそ違うが、同級生に負けないほどの存在感を示している。

 7月19日、ENEOSとのオープン戦。「九番・遊撃」で先発出場した1年生は7回、一時逆転となる中前タイムリーを放っている。遊撃守備においても、華麗なフィールディングを披露。右投げ左打ちの遊撃手。そこで思い出したのが、早大の先輩である鳥谷敬(現ロッテ)である。1年春から出場し、4年間で東京六大学歴代9位の115安打。ベストナインは遊撃手で5度受賞と、2002年春から03年秋まで、早大史上初のリーグ戦4連覇に貢献した。

 シュアな打撃を見せる熊田にも、記録への期待が高まる。今春のリーグ戦は再延期となった夏開催(8月10日開幕)も、1年生を後押しする。すっかり大学の練習の流れにも慣れ、グラウンドでは新入生とは思えない風格を醸し出している。春は1試合総当たりの5試合。レギュラーを奪取し、鳥谷が遂げた全試合先発出場を目標にしてほしい。目指せる選手は、ごく一部に限られる。言うまでもなく、1年春からの積み重ね。熊田には厳しい5校とのリーグ戦を乗り切るだけの「心・技・体」がそろっている。初々しい背番号44ではあるが、完成度の高いプレーを見てそう確信した。

文=岡本朋祐 写真=矢野寿明
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