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川口和久WEBコラム

DB山崎康晃は打たれたことが屈辱なのか、代えられたことが屈辱なのか/川口和久WEBコラム

 

一度休んだほうがいいのでは


心中はいかに……


 日曜日の広島戦(横浜)、彼の目に力がなかった。自信がなく、打たれても仕方ない、と思っていたように見えた。球にも力がなく、打たれるべくして打たれたように思えた。

 少し前の試合で恐縮だが、7月19日、DeNA巨人戦(横浜)の話から書く。
 あの日、DeNAは3対2とリードした9回表、当然のように山崎康晃を登板させた。調子は決してよくないが、この時点で8試合に投げ、6セーブだ。最低限の仕事はこなしていると言っていい。

 一死後、坂本勇人に内野安打。その後、坂本の代走・増田大輝が二盗し、二死二塁の場面だった。
 増田が素晴らしいスタートを切り、丸佳浩の二塁内野安打の間に本塁。左手を伸ばしての生還は「神の手」とも言われた。
 まさにプロの走塁だった。
 びっくりしたのは、その後だ。ラミレス監督が山崎を代えた。
 
 ラミレス監督の「目」は評価している。今季の佐野恵太の四番抜擢には、ラミレス監督の先見性を感じるし、結果に結びついている。
 ただ、あの場面はまだ同点、しかも二死だ。
 山崎は真っすぐとツーシームの2球種だけの投手だが、どちらもかつての力はない。その時点では三者凡退で抑えたこともなかったという。
 それでも必死に抑えてきた、いや、抑えてはいないけど、最低限の結果を出してきた。
 ラミレス監督は、このまま続投させ、傷口を広げるよりと思ったのかもしれないが、抑え投手にとっては、打たれるより、交代のほうが屈辱。打たれたらショックだけど、「よし、次こそ」となるが、代えられたら、「ああ、もう信頼してもらってないんだ」となる。
 別に山崎を擁護しているわけじゃない。プロは結果だから交代は当然。ただ、そういう心理状態になりやすい、というだけだ。
 
 ラミレス監督もあの場面は冷静さを欠いたように思った。いつも前向きな彼ではなく、感情が出たような気がした。
 その後、国吉佑樹岡本和真にホームランを打たれたが、それは結果に過ぎない。

 ラミレス監督は山崎を使い続け、自らマウンドに行ったり、26日の試合では満塁弾を浴びても「信頼している」と口にしたりと、懸命にあの日をフォローしているように見える。
 ただ、0勝3敗6セーブ、防御率8.74。
 ここはもう、休ませるしかないだろう。球種が少ない投手だから、まずは体のキレを取り戻して真っすぐの球威を復活させるのが先決だ。
 あとはメンタルだが、こっちは簡単じゃない。抑えも長くなって気持ちのうえでマンネリになっていたことは確かだと思う。
 抑えて当たり前、打たれたらたたかれる厳しいポジションだから、リセットし、もう一度、「自分は抑えとして、あのマウンドに立つんだ」と気持ちが高まるのを待つのも必要かもしれない。
 マジメな性格だからうまく切り替われないかもしれないが、「こんなときもあるさ」と思ったほうがいい。まだまだ野球人生は長いんだから。
 まだプロ6年目なのに315試合に登板し、13勝169セーブだろ。本当にすごいと思う。
 ファンはみんな思っているはずだよ。
「ヤスアキ、下を向くな」ってね。

 問題は代役。パットンもボロボロだから、代えるとすれば三嶋一輝とエスコバーの日替わりか。打線がいいから、それでもうまく回るかもしれない。しばらくは、だが。

写真=BBM

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週刊ベースボール編集部

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